８月24日・25日。徳島県徳島市・渭水苑においてお～いお茶杯第62期王位戦七番勝負第５局▲藤井聡太王位（19歳）－△豊島将之竜王（31歳）戦２日目の対局がおこなわれています。棋譜は公式ページをご覧ください。

　24日９時に始まった対局は25日16時47分に終局。結果は77手で藤井王位の勝ちとなりました。

　藤井王位は４勝１敗で七番勝負を制し、王位初防衛を決めました。

　藤井王位はこれで王位２期、棋聖２期。タイトル戦番勝負は初登場以来すべて制し、通算獲得数は４期になりました。

　戦後将棋界のタイトル戦で、初登場以来３回連続で番勝負を制覇した例はすでにありません。当然４回連続もありません。

　元王位の豊島挑戦者。復位は果たせませんでした。

　豊島挑戦者と藤井王位の対戦成績はこれで豊島９勝、藤井７勝。勝数差は一時は６番ほどもありましたが、２番にまで縮まりました。

　難敵中の難敵を降して王位防衛を果たした藤井王位。今期成績は23勝５敗（勝率0.821）となりました。

　９月13日におこなわれる叡王戦五番勝負でも藤井王位と豊島叡王は対局。もし藤井王位が勝てば将棋史上最年少三冠（３つのタイトルを同時保持）となります。

　また８月30日におこなわれる竜王戦挑決三番勝負第２局で藤井王位が勝てば豊島竜王への挑戦権を獲得。今度は四冠が見えてきます。

　タイトル戦に登場し続けながらなお、勝率８割を超えて勝ち続ける藤井王位。年度４回（しかも連続で）８割を超えた例はすでに藤井王位だけです。

　この勢いでなおも勝ち続けるのであれば、いよいよ本格的な藤井時代が訪れることになりそうです。

藤井王位、豊島挑戦者の粘りを許さず完勝

　難解な相掛かりの中盤戦。２日目午前、豊島竜王が50手目、攻めの銀を出た手が悪手でした。藤井王位は桂を跳ねて反撃。一気に優位に立ちました。

　豊島挑戦者の手が止まり、56手目を指さずに手番のまま、12時30分、昼食休憩に入ります。

　13時30分、再開。豊島挑戦者はまだ指しません。ここで心が折れずになおも勝利の可能性を探るところが、強者のメンタルなのでしょう。そして長考１時間15分。端９筋の歩を突いて、アヤを求めました。

　対して藤井王位は緩みません。59手目。46分を使って、走ってきた香の頭に歩を打ち、丁寧に応じて優位を拡大させていきます。

　77手目、藤井王位は相手のと金を払って盤石の態勢。ここで豊島竜王は10分を使い、次の手を指さず、潔く投了を告げました。