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藤井聡太二冠、前人未到5期連続ランキング戦優勝なるか? 4月16日、竜王戦2組決勝で八代弥七段と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月16日。東京・将棋会館において第34期竜王戦2組ランキング戦決勝、藤井聡太二冠(18歳)-八代弥七段(27歳)戦がおこなわれます。

 藤井二冠は準決勝で松尾歩八段に勝利を収めました。

 この▲藤井-△松尾戦は2020年度「名局賞 特別賞」に選ばれています。

 八代七段は準決勝で渡辺明名人を降しての決勝進出です。

藤井「八代七段も準決勝で渡辺名人に勝たれての決勝進出で、とてもその将棋もすごくいい内容だったので、充実されている印象があります」

 4月9日、叡王戦での対局あと、藤井二冠はそう語っていました。

 両者はすでに本戦進出は決めています。しかし優勝か2位かで、本戦トーナメントのどこに入るかは変わってきます。

 2組優勝は2位と比べ、挑戦権獲得まで1勝分近くなります。

 賞金は2組優勝が366万円、2位が94万円です。

 藤井二冠と八代七段は過去に1度、2018年新人王戦3回戦で対戦しています(当時の肩書では▲八代六段-△藤井七段)。八代先手で角換わり腰掛銀の最新形となり、132手で藤井勝ちに終わりました。

 2020年度成績は、藤井二冠は44勝8敗(勝率0.846)、八代七段は34勝12敗(勝率0.739)です。

 藤井二冠のずば抜けた成績は周知の通りですが、八代七段もかなりの好成績でした。

 藤井二冠は今期2組で優勝すると、前人未到の5期連続優勝となります。

 また竜王ランキング戦でデビュー以来負けなしの23連勝中です。

 また藤井二冠は現在公式戦18連勝中です。

 八代七段がいろいろな記録を止めるストッパーとなるのか。それとも藤井二冠が突き進むのか。大きな一番です。

 竜王ランキング戦は持ち時間各5時間(1分未満切り捨てのストップウォッチ形式)。対局は10時に開始され、昼と夕方にそれぞれ40分の食事休憩をはさみ、通例では夜に終局となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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