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竜王戦2組決勝で藤井聡太二冠と対戦するのはどちらか? 準決勝・渡辺明名人-八代弥七段戦始まる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 3月24日10時。東京・将棋会館において竜王戦2組準決勝▲八代弥七段(27歳)-△渡辺明名人(36歳)戦が始まりました。

 八代七段は竜王戦において、2組は2期目。今期は森内俊之九段、屋敷伸之九段に勝って準決勝へと進みました。

 一方の渡辺名人は、竜王位獲得は史上最高の11期で、初代永世竜王。それほどの存在でも1組で2連敗を喫すると、容赦なく2組へと落とされてしまうのがこの棋戦の厳しさです。巻き返しをはかる今期は杉本昌隆八段、郷田真隆九段を連破してベスト4へと勝ち上がってきました。

 両者は過去に1度、2018年に銀河戦本戦1回戦で対戦。棋譜はこちらで公開されています。結果は八代現七段の勝ちでした。

 本局は振り駒の結果、先手は八代七段と決まりました。互いに金矢倉に組み合い、角が向かい合う形となりました。

 38手目、渡辺名人は自玉を矢倉城に収めます。ここで八代七段の手が止まり、そろそろ昼食休憩を迎えそうな状況。まだまだ先の長い戦いが予想されます。

 本局の勝者は1組昇級と本戦進出が決まり、決勝で藤井聡太二冠と対戦します。

 昨日の準決勝▲藤井聡太二冠-△松尾歩八段戦は、将棋史に残るような名局でした。まだその興奮冷めやらぬ本日、余韻にひたっている方も多いと思われます。藤井二冠の名手▲4一銀は今後ともずっと語り継がれていくことでしょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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