Yahoo!ニュース

藤井聡太棋聖(18)の初防衛はばむ最難敵? 豊島将之竜王(30)スキなく快勝で棋聖戦ベスト8進出

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 3月15日。大阪・関西将棋会館において第92期ヒューリック杯棋聖戦・本戦1回戦▲豊島将之竜王(30歳)-△鈴木大介九段(46歳)戦がおこなわれました。

 豊島竜王先手で10時に対局開始。振り飛車党の鈴木九段が四間飛車に振ったのに対して、豊島竜王は居飛車穴熊に組みました。

 豊島竜王は金銀4枚をくっつけた堅陣を築いたあと、角を切って銀と刺し違え、積極的に攻めていきます。駒損はしたものの、鈴木陣の薄みを突いてうまく手をつなげ、形勢は豊島竜王よしに。

 最後は豊島竜王が穴熊の堅さをいかして押し切り、16時4分、117手で快勝となりました。

 豊島竜王はこれでベスト8に進出。16日におこなわれる佐藤康光九段-山崎隆之八段戦の勝者と、のちに2回戦で対戦します。

 豊島竜王は今年1月の朝日杯で藤井聡太棋聖(王位)に初めて敗れたものの、それまで6連勝しています。

 現状では、藤井棋聖にとっての最難敵は豊島竜王と言えそうです。藤井棋聖-豊島挑戦者の五番勝負となればまた、ひときわ大きな注目を集めることでしょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

松本博文の最近の記事