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永世王位・羽生善治九段(50)リーグ初戦で新鋭に快勝 藤井聡太王位(18)への挑戦権争い進行中

松本博文将棋ライター

 3月2日。東京・将棋会館においてお〜いお茶杯第62期王位戦リーグ白組1回戦▲羽生善治九段(50歳)-△長谷部浩平四段(26歳)戦がおこなわれました。

 羽生九段は王位を通算18期を獲得。「永世王位」の資格を持つ将棋界のレジェンドです。

 羽生九段のタイトル通算獲得数は99期。100期をかけて藤井聡太王位(18歳)と七番勝負の舞台で戦うことになれば、大変な注目を集めることでしょう。

 長谷部四段は今期予選で阿部光瑠六段、青野照市九段、佐藤康光九段、高見泰地七段、飯島栄治七段(現八段)と強敵を連破。2年ぶり2度目のリーグ入りを果たしました。

 羽生九段と長谷部四段は本局が初手合となります。

 対局は10時開始。羽生九段先手で互いに飛車先の歩を突き合う相掛かりで始まりました。そこから羽生九段は飛車を2筋から3筋、さらには7筋へと移動し、ひねり飛車へと組みます。

 対して長谷部四段は玉を堅く囲い、2筋、3筋の上部に勢力を張っていきます。

 羽生九段は左側の金を中段へと上がりました。これが羽生九段らしい自由な発想だったようです。以下は長谷部四段が取った3筋の位を争点として、本格的な戦いが始まりました。

 中段での押し合いでリードを奪ったのは羽生九段でした。優勢を築いてからは一気呵成。

 羽生九段は99手目、羽生九段は飛車を切り捨て、鮮やかに長谷部玉を討ち取りました。終局時刻は19時15分。羽生九段がまず幸先のよい1勝をあげました。

 白組は1回戦をすべて終え、永瀬拓矢王座、羽生九段、佐々木大地五段が白星スタートを切りました。

 一方の紅組は木村一基九段、佐藤天彦九段、澤田真吾七段が1勝をあげています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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