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藤井聡太二冠(18)は残留できるか? 11月20日、王将戦リーグ最終戦で木村一基九段(47)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月20日。東京・将棋会館において王将戦リーグ最終戦、一斉対局がおこなわれます。カードは以下の通りです。

△永瀬拓矢王座(5勝0敗)-▲広瀬章人八段(2勝3敗)

▲豊島将之竜王(4勝1敗)-△羽生善治九段(4勝1敗)

▲藤井聡太二冠(2勝3敗)-△木村一基九段(0勝5敗)

※佐藤天彦九段(1勝5敗)は全局終了

 挑戦権獲得の可能性を残しているのは、成績上位の永瀬王座、豊島竜王、羽生九段です。

 一方、すでに下位3人に入ることが確定している佐藤九段、木村九段はリーグ陥落が決まっています。

 あと1枠残されているリーグ残留の枠は、ともに2勝3敗の広瀬八段と藤井二冠が争うことになります。

 前年度成績に基づく順位は、広瀬八段が1位、藤井二冠が3位です。両者は前年度最終戦、挑戦権を争って広瀬勝ちとなりました。その成績の差が今期に反映されているわけです。

 広瀬八段は永瀬王座と対戦します。

 王将戦リーグの規定では、同成績で並んだ際には順位上位が残留となります。

 順位上位の広瀬八段は有利な「自力」の立場です。

 広瀬八段、藤井二冠がともに勝った場合には、順位の差で広瀬八段が残留します。また藤井二冠が敗れれば、自身の勝敗は関係なく、残留です。

 藤井二冠は「他力」の立場。まずは自身が勝って3勝3敗となり、広瀬八段が負けて2勝4敗となった場合のみ、残留できます。

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 藤井二冠と木村九段の過去の対戦成績は、藤井二冠の4連勝(収録済のテレビ対局をのぞく)。これはそのまま、今年度王位戦七番勝負のスコアです。

 両者は今期NHK杯2回戦でも対戦します。その模様は11月22日に放映されます。

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 藤井二冠の今年度成績は27勝7敗(勝率0.794)です。

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 藤井二冠は本局に勝つと8割復帰となります。デビュー以来の通算成績は196勝39敗(勝率0.834)。そろそろ通算200勝も見えてきました。

 木村九段の今年度成績は12勝16敗(勝率0.429)です。

 対局開始は10時。持ち時間は各4時間(1分未満切り捨てのストップウォッチ方式)。昼食休憩をはさみ、通例では終局は夕方から夜となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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