Yahoo!ニュース

激熱の王将戦リーグいよいよ開幕!9月22日▲藤井聡太二冠(18)-△羽生善治九段(49)戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月22日。東京・将棋会館において第70期挑戦者決定リーグ▲藤井聡太二冠(18)-△羽生善治九段(49)戦がおこなわれます。

 渡辺明王将(36歳)への挑戦権を目指してのリーグ戦。今年も棋界屈指の精鋭メンバーが顔を揃えました。そしてその開幕戦が藤井二冠と羽生九段の対戦とあっては、最初から見逃すわけにはいきません。

 両者は過去に公式戦で4回対局しています。

画像

 最初は2018年2月、朝日杯準決勝。

画像

 藤井五段(当時)は羽生竜王をはじめ、並み居る格上の棋士を連破して全棋士参加棋戦初優勝を飾りました。

 2回目は昨年の王将戦リーグ。結果は藤井七段(当時)の勝ちでした。

 最終的なリーグ成績は両者ともに4勝2敗で並びました。

 前期リーグの順位は両者ともに予選を勝ち上がってきて5位。そして同成績で残留したので、今期は同順位の3位となります。

 3回目の対戦は王位戦リーグ開幕戦。結果は藤井七段(当時)の勝ちでした。

 結果的に、この一局の星は実に大きかった。最後は藤井七段5勝0敗、羽生九段4勝1敗でリーグを終えました。

 藤井七段はそのあと挑戦者決定戦で永瀬拓矢二冠に勝ち、木村一基王位に挑戦。七番勝負を4勝0敗で制して王位を獲得しています。

 4回目の対戦は銀河戦本戦Cブロック最終戦。

 銀河戦の羽生-藤井戦はすでに7月4日に収録されています。放送されるのは9月29日。ただし、すでに「将棋プレミアム」で配信されているため、結果をすでにご存知の方もおられるかもしれません。

 そして本局は5回目の対局となります。前述の銀河戦の対局をのぞくと、結果は藤井二冠の3連勝です。

 テレビ未放映の対局をのぞいて、藤井二冠の今年度成績は21勝4敗(勝率0.840)です。

画像

 一方の羽生九段は9勝6敗(勝率0.600)です。

画像

 羽生九段は竜王戦挑決を制し、豊島将之竜王(30歳)への挑戦権を獲得しました。

 約2年もの間、タイトル戦の舞台からは遠ざかっていた羽生九段。久々の番勝負登場、そして通算100期目のタイトル獲得チャレンジということで、この秋から冬にかけては、もう何度目かわからない「羽生フィーバー」が起こる可能性もありそうです。

 それにしても精鋭揃いの王将戦リーグ。藤井二冠、羽生九段はもちろん優勝候補に挙げられるでしょうが、誰が優勝してもまったく不思議ではありません。

 王将戦リーグの持ち時間は各4時間(1分未満切り捨てのストップウォッチ方式)。対局開始は10時。昼食休憩をはさんで、通例では夕方から夜にかけての終局となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『あなたに指さる将棋の言葉』(セブン&アイ出版)など。

松本博文の最近の記事