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西山朋佳女流三冠(25)新人王戦ベスト4進出ならず 齊藤優希三段(23)に敗れる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月9日。東京・将棋会館において第51期新人王戦準々決勝▲西山朋佳女流三冠(25歳)-△齊藤優希三段(23歳)戦がおこなわれました。

 対局は10時に開始。先手の西山女流三冠は、初手、得意の三間飛車に振りました。

 齊藤三段は手堅く左美濃に囲った後、攻めの銀を前線に押し出していきます。

 齊藤三段は銀交換のあと、もうもう一度銀を打ちつけて押さえ込みをはかります。最初の戦いではまず、齊藤三段がポイントをあげたようです。

 互いに飛車を成り合っての長い中盤戦。齊藤三段は少しずつポイントをあげ、差を広げていきます。

 西山女流三冠は手段を尽くして勝負を捨てません。途中はかなり差が詰まった場面もあったようです。

 齊藤三段はあわてずに歩を垂らし、と金を作ります。これが正確な速度計算に基づく好判断だったようです。最後はこのと金が一足早く西山女流三冠の金をはがすことになります。

 17時14分。146手目。守りのかなめの金を取られたところで、西山女流三冠は投了しました。

 快進撃を続ける齊藤三段はこれでベスト4に進出。準決勝では梶浦宏孝六段-冨田誠也三段戦の勝者と対戦します。

 西山女流三冠は、今期新人王戦はここまでとなりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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