王座復位を目指すレジェンド羽生善治九段(49)今期本戦1回戦で飯島栄治七段(40)と対局中

2008年、王座戦五番勝負を戦う羽生王座(当時)(記事中の画像撮影・作成:筆者)

 5月21日。東京・将棋会館において第68期王座戦挑戦者決定トーナメント(本戦)1回戦▲羽生善治九段(49歳)-△飯島栄治七段(40歳)戦が始まりました。

 記録係を務めるのは瀬川晶司六段(50歳)。羽生九段とは同じ1970年生まれで、瀬川六段は1学年上となります。

 コロナ禍の状況で現在、記録係は奨励会員ではなく、棋士、女流棋士が務めています。

 盤側には記録係の瀬川六段と観戦記担当の野月浩貴八段(46歳)が座っています。

 対局前、瀬川六段が羽生九段側の歩を5枚取って振り駒をした結果、「歩」が4枚、「と」が1枚出て、羽生九段の先手と決まりました。

 戦型は羽生九段の横歩取りとなります。羽生九段は玉を一つ上がり、中住居(なかずまい)に構えます。これは先手側の指し方として有力とされる「青野流」の骨子の一手です。

 対して作戦家の飯島七段は前線に出た飛車を元の位置にまで引き上げました。飯島七段はこれまで、後手番でこの形を持って好成績を収めています。

 進んで、飯島七段が取ったのは徹底的な待機作戦でした。あえて手損をして羽生九段の動きを見ます。後手番ですので、仮に千日手となっても不満はありません。

 羽生九段は最前線に歩を垂らします。その手を見て飯島七段も攻めを開始し、局面はダイナミックに動きます。飛角桂が中段でせめぎあう、いかにも横歩取りらしい激しい展開となりました。

 羽生九段は打った歩を成り捨てた後、飛車を横に展開します。対して飯島七段は桂を捨てる代償に香を取って馬(成り角)を作りました。

 54手目、飯島七段は飛車取りに香を打ちました。着実な棋風の飯島七段らしい、的確なパンチにも見えます。羽生九段がこの局面で考える間に、時刻は15時を過ぎました。中盤の難所で、形勢はほぼ互角のようです。

 王座戦本戦の持ち時間は各5時間。夕食休憩をはさんで、通例では決着は夜となります。

 昨日20日には▲佐々木慎七段ー△丸山忠久九段戦がおこなわれました。佐々木七段の四間飛車に対して丸山九段は速攻を仕掛けます。中盤で丸山九段が大きくリードしてそのまま押し切り、19時55分、84手で終局となりました。

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