杉本昌隆八段(51)竜王戦3組決勝進出 藤井聡太七段(17)との師弟戦は実現するか?

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 3月24日。大阪・関西将棋会館において竜王戦3組ランキング戦▲杉本昌隆八段(51歳)-△菅井竜也八段(27歳)戦がおこなわれました。10時に始まった対局は19時53分に終局。結果は143手で杉本八段の勝ちとなりました。

 杉本八段はこれで3組決勝に進出。2組昇級を決めるとともに、優勝、そして決勝トーナメント進出まであと1勝としました。

 杉本八段は決勝で千田翔太七段-藤井聡太七段戦の勝者と対戦します。もし藤井七段が勝ち上がってくれば、師弟での優勝決定戦が実現します。

杉本八段、強敵を降して勝ち上がる

 両者とも基本的には振り飛車党です。そして両者ともに、居飛車を持っても強い。本局では杉本八段が早々に居飛車で指すことを宣言しました。

 菅井八段は角筋をオープンにしたまま、三間飛車に振ります。そこで角交換をすると、乱戦含みの進行となります。

 杉本八段は想定内だったか、ノータイムで角を交換し、角を打って踏み込んでいきます。対して菅井八段は14手目、角ににらまれている飛車を端に逃げる工夫を見せました。

 展開としては乱戦ではなく、持久戦となりました。そして以後の両者の駒組は大変に面白いものでした。

 菅井八段は飛車を逆サイドに戻し、居飛車風の駒組となります。矢倉に組んで、さらに穴熊の堅陣に組み換えました。

 一方の杉本八段は四段目に並んだ歩の下、三段目に金銀4枚を押し上げて支える構え。玉は薄いものの、バランスを重視して上部にはスキのない形です。

 杉本八段が歩を突いて仕掛けたところでは、作戦勝ちを収めていたようです。本格的な戦いが始まると、金銀4枚が集結していた菅井陣は、みるみるうちに薄くなっていきました。

 しかし菅井八段が穴熊らしく粘り強くしのいだところでは、逆転模様となったようです。

 そこから杉本八段は容易に崩れませんでした。形勢はまた逆転。菅井玉は隅で狭く、一方で三段目に浮いた杉本玉は薄いながらもスペースが広くつかまりません。

 最後は杉本玉が詰まず、一方の菅井玉が受けても一手一手となったところで、菅井八段が投了しました。

 杉本八段はこれで2組に復帰。過去には1組に8期在籍した実績があります。また2003年に3組優勝を果たすなど、3回本戦(決勝トーナメント)に進出しています。

 準決勝のもう一方の山は、千田翔太七段と藤井聡太七段の対戦となります。どちらが勝ち上がってきても無論、強敵です。

 そしてもし杉本八段と藤井七段の対戦となれば、2回目の師弟戦実現となります。藤井七段には史上初の4年連続竜王ランキング戦優勝という、これもまたとてつもない記録達成の期待がかけられています。そこで対戦するのが師匠となれば、大変な盛り上がりを見せるでしょう。

 杉本八段が勝利をあげたちょうどこの日。藤井七段は、王位戦リーグで稲葉陽八段に勝っています。師弟揃ってのめでたい一日となりました。