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棋聖戦決勝Tは開幕局から好カード! 新A級・斎藤慎太郎八段(26)と新鋭・藤井聡太七段(17)が対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 渡辺明棋聖(35歳)への挑戦権を勝ち取るのは誰か? 第91期ヒューリック杯棋聖戦は、いよいよ決勝トーナメントが開幕します。

 2月29日。大阪・関西将棋会館において棋聖戦決勝トーナメント1回戦・斎藤慎太郎八段(26歳)-藤井聡太七段(17歳)戦がおこなわれます。

 対局は朝10時に開始されます。持ち時間は各4時間。通例では、終局は夕方から夜頃となります。

1回戦屈指の好カード

 斎藤新八段は順位戦ではB級1組からA級に昇級を決めたばかりです。

 同じく昇級する菅井竜也新八段(27歳)とともに、来期A級でどれだけの活躍を残せるのか、注目されます。

 斎藤八段は、棋聖戦では2017年度、24歳の時に五番勝負に進出して羽生善治棋聖(当時)に挑戦。1勝3敗で惜しくもタイトル獲得はなりませんでした。今期も当然ながら、挑戦者争いの有力候補と言えそうです。

 藤井七段も順位戦ではC級1組からB級2組への昇級を決めています。

 両者は公式戦では過去に4回対戦し、2勝2敗と五分の成績が残されています。

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 最初の王座戦準決勝から、大きな一番でした。ここを勝った斎藤七段(当時)は挑戦者となり、王座のタイトルを獲得しています。

 昨年暮の王位戦予選決勝では藤井七段が勝ちました。

 また最近では朝日杯準々決勝(本戦2回戦)でも藤井七段が勝っています。

 ファンや関係者は、藤井七段が史上最年少タイトル挑戦の記録を更新できるか、という点にずっと注目してきました。今期棋聖戦は、そのラストチャンスとなります。

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 藤井七段のこれまでの発言からは推測すると、藤井七段本人はその最年少記録に関しては、ほとんどこだわりがないものと思われます。ただしタイトル挑戦という点については、ずっと大きな目標であり続けてきました。

 斎藤八段と藤井七段。どちらも渡辺明棋聖との五番勝負が実現すれば、大いに盛り上がることでしょう。しかしどちらかはここで敗退となります。

 本日は土曜日。もし休日にこの一局をゆっくり観戦できるとすれば、それは最高の贅沢かもしれません。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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