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藤井聡太七段(17)勝てばB級2組昇級の一番開始 C級1組順位戦9回戦で高野秀行六段(47)と対局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月4日。大阪・関西将棋会館においてC級1組順位戦9回戦▲藤井聡太七段(17歳)-△高野秀行六段戦が始まりました。

 藤井七段はC級1組順位戦で8連勝。残り2戦であと1勝すれば昇級という状況です。

 一方の高野六段は6勝2敗。事前に公開されたインタビュー記事では、本局にかける並々ならぬ決意を述べています。

 2005年には瀬川晶司アマ(当時)のプロ編入試験六番勝負第5局の対戦相手を務め、注目を集めました。

 対局場は大阪・関西将棋会館。関西所属の藤井七段のホームです。関東所属の高野六段は遠征しての対局となります。もっとも、愛知県瀬戸市在住の藤井七段も自宅から大阪まで移動しています。

 対局室は4階・水無瀬の間。

 9時40分。まずは藤井七段が入室。リュックから扇子を取り出して盤の手前に置き、ウェットティッシュは右側に置きました。

 少しして高野六段。

 9時48分。藤井七段が駒箱を手にし、駒袋を取り出して、盤上に駒を開きます。そして両者ともに大橋流で駒を並べます。

 10時。両者一礼して対局が開始されました。

 藤井七段はいつものようにお茶を口にした後、飛車先の歩を伸ばしました。対して高野六段も同様に飛車先の歩を伸ばします。

 進んで、戦型は角換わり腰掛銀となりました。現在の将棋界における主流となっている戦法です。

 43手目。藤井七段は桂を跳ね出して先攻を仕掛けました。この先は一気に激しい戦いになる可能性があります。

 C級1組の持ち時間は各6時間(チェスクロック使用)。通例では夜遅くに対局が終わります。

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 昨年も活躍し続けた藤井七段。昨日発表された「2019年獲得賞金・対局料ベスト10」では9位にランクインしています。

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 2019年は2108万円で9位。18年は2031万円で12位。2年続けて2000万円以上を稼ぐ高校生は、現在の日本に数えるほどしかいないでしょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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