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激熱の王将リーグ開幕! 緒戦は豊島将之名人(29)が飾る

松本博文将棋ライター
(記事中の写真撮影・画像作成:筆者)

 9月18日。第69期大阪王将杯王将戦、挑戦者決定リーグが開幕しました。緒戦の▲久保利明九段(44歳)-△豊島将之名人・王位(29歳)戦は関西将棋会館でおこなわれ、10時に始まった対局は19時13分に終局。結果は108手で豊島名人の勝ちとなりました。

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三浦弘行九段(45歳)王将戦リーグ入り決定 精鋭メンバー7人確定

https://news.yahoo.co.jp/byline/matsumotohirofumi/20190914-00142654/

豊島名人、幸先よく1勝

 竜王挑戦も決め、棋界を制覇する勢いの豊島名人。王将戦では史上最年少の20歳での七番勝負登場の記録も持っています。

2011年、史上最年少の20歳で王将位に挑戦する豊島六段
2011年、史上最年少の20歳で王将位に挑戦する豊島六段

 しかし王将位はまだ獲得したことがありません。

将棋は本当に楽しいです」 豊島名人(29)が豊島六段(20)だった頃の名言

https://news.yahoo.co.jp/byline/matsumotohirofumi/20190710-00133609/

 久保九段は過去に王将位を4期獲得。うち2期は、豊島現名人の挑戦をしりぞけてのものです。

2011年、豊島六段の挑戦をしりぞけた久保王将
2011年、豊島六段の挑戦をしりぞけた久保王将

 王将リーグでの対戦となった本局。序盤の細かな駆け引きの後、久保九段は三間飛車に振りました。居飛車の豊島名人は穴熊を目指します。久保九段は銀2枚を手早く繰り出し、穴熊上部からプレッシャーをかけました。さらには角桂も五段目に並べての攻めとなります。

 穴熊をあきらめ、低い陣形で受けていた豊島名人は、機会をとらえて反撃に移ります。終盤に入ったあたりは、豊島名人がリードを奪っていたようです。

 久保九段は四段目に玉を泳ぎだして粘ります。対して豊島名人はセオリー通り、玉を下段に落とす寄せ。最後は2枚の飛車で上下はさみうちの形を作り、久保玉を即詰みに打ち取りました。

 まずは幸先よく1勝をあげた豊島名人。次の2回戦で藤井聡太七段と対戦します。

 藤井七段は9月30日、1回戦で三浦弘行九段と対戦します。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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