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藤井聡太七段(17)四段昇段決定からちょうど3年

松本博文将棋ライター
2017年、ふみもと子供将棋教室にて(記事中の写真撮影・画像作成:筆者)

 2016年9月3日(土)。第59期三段リーグ最終日の対局がおこなわれました。そこで杉本昌隆七段(現八段)門下の藤井聡太三段(当時14歳)が13勝5敗という好成績をあげ、1位で昇級を決めました。

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 1987年以来、難関の奨励会三段リーグを1期で抜けたのは、藤井三段で8人目でした。

 藤井四段の正式なデビュー日は2016年10月1日。史上最年少での14歳2か月でのデビューでした。以後の大活躍は、周知の通りです。

 筆者は以前、藤井七段が少年時代を過ごした、ふみもと子供将棋教室を取材でお邪魔したことがあります。

ふみもと子供将棋教室に張られている言葉
ふみもと子供将棋教室に張られている言葉

 そこで幼き日の藤井少年に指導した文本力雄先生に多くをうかがいました。

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 詳しくは拙著『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)を読んでいただければ幸いです。

 筆者と同行したのは、瀬戸市出身で、藤井七段と同じ「雪の聖母幼稚園」に通っていた藤田麻衣子さん(元女流棋士)でした。

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 藤田さんはふみもと子供将棋教室にiPhoneを忘れていきます(藤田さんはクリエイター気質ゆえか、忘れ物が多いです)。次に訪れたのは藤井聡太さんのお宅だったのですが、文本先生がそこまで、iPhoneを自転車で届けてくださいました。

 藤井少年の幸運の一つは、近所の自転車で通える距離に、しっかりした将棋教室が存在したことと実感しました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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