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藤井聡太七段(16)が竜王戦で近藤誠也六段(22)に勝利 次戦対局料77万円もゲット

松本博文将棋ライター
(写真撮影・画像作成:筆者)

 2018年6月28日(金)。関西将棋会館において竜王戦決勝トーナメント、藤井聡太七段(4組優勝)-近藤誠也六段(5組優勝)戦がおこなわれました。

 午前10時、近藤六段の先手で対局開始。戦形は角換わり腰掛銀の最新形となりました。

 近藤六段が先攻したのに対し、藤井七段が巧みに反撃して、きわどい戦いに。藤井七段の攻めがつながるか、それとも近藤六段が受けきれるか、という展開となりました。

 ギリギリと思われた局面から、藤井七段は斬れ味鋭い手を連発。若手実力者の近藤六段に粘る余地を与えず、最後は飛車を捨て、驚くほど華麗に寄せ切りました。

 終了時刻は20時7分。総手数は96手でした。

 多くのファンからタイトル初挑戦が期待されている藤井七段。次戦では久保利明九段(1組5位)との対戦が決まっています。

数字は対局料(万円)
数字は対局料(万円)

藤井七段の竜王戦獲得賞金

 将棋界では賞金、対局料のほとんどは非公開です。そうした中で竜王戦は、高額の賞金、対局料が公開されています。

 今期竜王戦で藤井七段は既に、4組優勝賞金205万円を獲得しています。

 決勝トーナメントに進んでからは、高額の対局料をもらうことができます。初戦の近藤誠也六段戦の対局料は57万円でした。

 決勝トーナメントを勝ち進むたびに対局料は高くなり、加算されていく計算となります。

 藤井七段は近藤六段戦の勝利によって、次戦・久保九段戦の対局料77万円を得るところまで決まっていきます。

 久保九段戦の先は、豊島将之名人戦(120万円)渡辺明二冠戦(165万円)まで、待ち構える対局相手は決まっています。

 そうした現代将棋界のトップクラスを連破すると、挑戦者決定戦(三番勝負)の対局料は450万円となります。

 そしてもし広瀬章人竜王への挑戦権を得れば、1620万円(七番勝負の敗者賞金)まで確定します。

 さらに竜王獲得となれば、優勝賞金4320万円(七番勝負の勝者賞金)を得ることができます。

 藤井六段は現在16歳。7月19日の誕生日を迎えて、ようやく17歳となります。高校2年の藤井七段が、今年どれだけの賞金を獲得できるのか。そこも注目ポイントのひとつとなりそうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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