Go To キャンペーンもいよいよ本格化

 10月1日より東京もGo To トラベルの対象となり、新型コロナウイルスに「気を付けながら外出をする」という意識へのシフトがより強まってきました。旅行については以前も書きましたが、旅先、目的、同行者など違いはあれど、大きくは「非日常体験」への欲求は共通だと思います。コロナ禍で日常生活に、これまでなかった気遣いと制限ができてしまった窮屈感は、多くの方が感じていることで、元々旅行や外出が好きな人以外でも、“お出かけ欲求”は高まっているのではないでしょうか。

“お出かけ”をしていますか?

 今回は、全国20~60代男女と幅広い方々に、外出状況やGo To キャンペーンへの利用状況を調査してみました。まず、ここ2カ月以内の“お出かけ”事情について。

博報堂キャリジョ研「旅行・外出に関する調査(2020/10)
博報堂キャリジョ研「旅行・外出に関する調査(2020/10)

 宿泊・日帰り問わず、旅行やアウトドアなどちょっと大きめな“お出かけ”については、3割ほどが行っていました。男女別に見ると、宿泊を伴うお出かけは男性の方が多く、外食やショッピングなどの軽い“お出かけ”は、全体で5割が行っており、男女別では女性の方が多い結果となりました。「お出かけしていない」は3割ほどで、多くの人がお出かけや趣味を楽しんでいるようです。

 年代別で見ると、宿泊を伴うお出かけは子供が小さいからか30代が少なめで、反対に日帰りのお出かけは30-40代が多く、軽いお出かけは40代が多いという結果となりました。年齢での違いはあるものの、「年齢が若いほど」もしくは「年齢が高まるほど」…という傾向は特にないようです。

博報堂キャリジョ研「旅行・外出に関する調査(2020/10)
博報堂キャリジョ研「旅行・外出に関する調査(2020/10)

Go To キャンペーンの利用実態や意向は?

 そして、Go To キャンペーンはテレビでもネットニュースでも話題になりますが、一体どれくらいの人が利用しているのでしょうか?トラベルとイートを両方聴取してみました。

博報堂キャリジョ研「旅行・外出に関する調査(2020/10)
博報堂キャリジョ研「旅行・外出に関する調査(2020/10)

 結果、Go To トラベルの利用者は17%、利用者に加えて「今後利用する予定」や「利用は未定だが興味はある」も含めた“Go To トラベルに前向きな人“は35%でした。同じくGo To イートの利用者は、まだ始まったばかりということもあり4.4%でしたが、今後の利用も検討している前向きな人は37%と、トラベルと同程度でした。ただ、「どちらも今後利用するつもりはない」という人は43%と半数弱はいるため、残り6割弱のGo To キャンペーンに前向きな人と二極化しているようです。

旅行に意欲的な男性と食事に意欲的な女性

 男女で見てみると、Go To トラベルは男性が利用・意向ともに高めで、Go To イートは女性の方が若干高めという結果となりました。先ほどのお出かけについての結果もですが、これまでの調査では、旅行は女性の方が趣味にしている傾向が高かったので、少し意外な結果です。

 この違いはなぜなのでしょうか。お金と時間の都合のつきやすさもあるでしょうが、それ以外に気持ちの違いもあるかもしれないという別の調査結果もあります。

「安全にいたい」けど「損をしたくない」欲求

 Go To キャンペーンは使う人だけ恩恵にあずかる不公平性が指摘されることがありますが、観光・旅行業界の支援が目的ですので、誰の利用であってもよいはずです。よって、より動きたい欲求を持った人の「せっかくだから」という気持ちを刺激するものなのです。

私も活動に携わっている、博報堂行動デザイン研究所が提唱する「PIXループモデルTM」の中で、人間の根源的な欲求について12種類に分類しているのですが、コロナ禍の人々の欲求として高いものに“安全欲”と“損失回避欲”があります。コロナ以前は聴取していないので、増減については分かりませんが、危険に脅かされるウイルスから「安全にいたい」気持ちと、給付金や補助など「損しないように利用できるものは利用したい」という気持ちの両者があるのだと考えられます。

※博報堂行動デザイン研究所「PIXループTM」より
※博報堂行動デザイン研究所「PIXループTM」より

 そして、この欲求は男性よりも女性の方が高い傾向にあります。そこで、女性の方が「損失回避はしたいものの、安全を脅かしてまでは…」という複雑な気持ちから、旅行ほど大きなイベントには参加できないが、食事などのちょっとした外出は意欲が高いのかもしれないと考えます。

※博報堂行動デザイン研究所「Pool行動及び12欲求に関する調査」(2020/5)
※博報堂行動デザイン研究所「Pool行動及び12欲求に関する調査」(2020/5)

“新しい生活様式”をみんなが考え、行動をする機会に

 Go To キャンペーンは、さらにGo To イベント、Go To 商店街が始まり、今後も広がっていきます。業界内格差や制度の不備による事業者・利用者双方の不安など、まだまだ問題もありますが、感染に関しては一人一人が気を付けて行動をする習慣が広まるきっかけにもなっており、“新しい生活様式”に移行していくよいきっかけになっているとは感じます。個人の楽しみにしても、業界への応援にしても、一人でも多くの人が、気を付けながらこれまでの生活で出来ていたことを実現できるようになればと思います。