オンラインとリアルのどちらがいい? 「新しい生活様式」のこれから

(写真:アフロ)

“コロナとともに”新しい生活が始まる

 25日に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の全面解除が表明されました。4月7日の緊急事態宣言から1カ月半強。解除されたからと言って、生活がいきなり元に戻るわけではありませんが、一人ひとりの意識と行動の変化で改善に向かい、少しずつでも活動ができるようになるので、気持ちが前向きになれる出来事ではあります。

 前回は、新型コロナウイルスによる働き方やメイクの変化について書きましたが、次に向けて考える一つの区切り目の時期を迎え、今回は全体的な変化とこれからについて調査をしてみました。

生活の中で進むオンライン化

 20-30代の女性たちに、新型コロナウイルスの影響での生活の変化を聞いてみました。インターネット通販の利用が最も高く、次いでSNSの利用が続きます。インターネット通販もSNSもオンラインサービスなので、オンライン活用が増えたことがわかります。

博報堂キャリジョ研オリジナル調査(2020/5/25-26)
博報堂キャリジョ研オリジナル調査(2020/5/25-26)

 選択肢以外にも、オンラインの婚活・デート、オンライン結婚式、オンライン旅行、などオンライン化は意外なところまで進んでいます。そして、実際に利用者の声も聞きますと、リアルにはない「オンラインならではの良さ」もあるようです。

オンライン化のメリットとは

 私自身もオンライン会議やオンライン飲みを経験していますが、顔が向き合いやすいという利点があります。テーブルに座っていると横の人など死角ができてしまうこともありますが、オンラインでは画面上で全員と向き合う形になるので、こうした物理的なことが心の距離を縮めるのにも役立ちます。特に飲み会ではある程度の人数になると小グループに分かれて話すこともありますが、オンラインは特定の人だけ音声をつけることは難しい仕組みが多く、同じテーマでみんなが話せて一体感が生まれやすいです。反面、その場の話題を誰かが振らないと盛り上がらないということもありますが…。

 また、場所の壁を越えて参加できるのも利点です。この点は飲み会、会議だけでなく、オンライン結婚式の利点でもあり、遠方からの参加の場合は交通費や宿泊費、それだけの移動の時間と、参加者に負担をお願いしてしまうことへの申し訳なさもありますが、気軽に参加できるようになるので、多くの人に祝福してもらえるという良い点があるようです。結婚式に限らずイベントなどは、前後に予定あっても参加しやすいため、機会が広がります。

 さらに、オンラインは時間の区切りやすさもあるようです。飲み会の1次会の後のそのまま付き合いで行く2次会、みたいなものがなく、その時間内で楽しむことができるのも利点の一つと言えそうです。

今後、オンラインを使いたい?

 厚生労働省から発表された「新しい生活様式」でも、通販の利用や筋トレ・ヨガの動画利用、応援や会議のオンライン化が推奨されていますが、人々のオンライン活用は今後も続くのでしょうか。

 今後、オンラインを使ってみたいかどうかを聞いてみると、結果は4割ほどでした。この質問では、非利用者も多かったので、「使わなかったし、必要がない」という意見が多数派ではありますが、「使わなかったが、使ってみたい」は2割ほどで、周囲がやっているのを見聞きして興味を持ったという意見も見られました。「使ってみたけれど今後は使わなさそう」という意見の中には、通信環境の問題も大きく、費用や接続トラブルなど、誰もがすぐに便利に使えるわけではない問題もあります。

博報堂キャリジョ研オリジナル調査(2020/5/27-28)
博報堂キャリジョ研オリジナル調査(2020/5/27-28)

リアル体験も大事に

 新型コロナウイルスが落ち着いたら何に時間やお金を使いたいか、も聴取してみましたが、多い順で見ますと「旅行・レジャー」「外食」「美容・ファッションの買い物」と並びます。将来に備えた預貯金や転職、副業なども選択肢に入れていましたが、どちらかというと楽しみへの欲求が高いと言えるでしょう。

博報堂キャリジョ研オリジナル調査(2020/5/25-26)
博報堂キャリジョ研オリジナル調査(2020/5/25-26)

 もともと、女性は旅行やグルメ、美容・ファッションに関心は高いですが、加えて外出自粛中に利用がしづらかった領域ですので、やはり「リアルでの体験を楽しみたい!」という気持ちが表れているのだと思います。外出自粛中は家でできることでの工夫として特に“食(料理、お菓子作り)”と“住(掃除、模様替え、DIY)”で、持て余してしまう時間を使って家での快適化を図る行動が増えていたので、家ではできない体験を欲しているのでしょう。また、旅行や外食は人と一緒に行うことも多く、情報だけでなく“気持ち”を共有するには、オンラインではやり切れない部分もあり、仕事はオンラインでも人と会うのはリアルがいいという意見も挙がりました。

 オンラインでもリアルでも、向き不向きが環境や人によってありそうです。「新しい生活様式」というと、これまでのものがすっかり変わってしまう気がしてしまいますが、すべてオンラインに代わるのでも、リアルに戻そうとがんばるのでもなく、状況に応じてオンラインとリアルを使えるように、選択肢が増えるのが今後の新しい生活なのだと感じます。