今後10年予測! 2020年代は「サステナブルライフ」志向へ

(写真:アフロ)

2020年という新しい時代の幕開け

 令和2年となり、2020年代という新しい年代になりました。「10年一昔」という言葉があるように、新しい10年が始まる最初の年であります。そんな節目の初めとして、これまでの各10年がどのような年代だったのかを振り返りながら、2020年代が女性にとってどんな年代になっていくのかを考えてみたいと思います。

バブルの勢いから一変、癒しを求めて

 まずは、1980年代。この10年の象徴は、やはりバブル期であることでしょう。女性のファッションはワンレン&ボディコンが流行り、勢いと華があった時代。あまり先の不安もなく、楽観的に時代を楽しむとともに、お立ち台で目立つ、ブランド物で目立つなど、抜きん出るように見栄を張り、競った“攻め”の時代でした。

 1990年代に入ると早々にバブルが崩壊。さらに90年代半ばは証券会社の破綻、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件など社会的にも混乱期でした。しかし、90年のティラミスブーム以来、毎年のように取り上げられ、現在も続くスイーツブームが到来。またCDの売上ランキングで歴代トップ10を見ると、シングル、アルバムともに10タイトル中半分以上が90年代のものです。アムラー旋風が吹いたのもこの頃なので、音楽も女性を中心に消費されたものであり、時代としては暗い中でも、食や音楽などに身近な“癒し”を求めていたのではないかと感じます。

“みんな”という集団から“個”へ

 2000年代の幕開けは、今となっては懐かしい“ノストラダムスの大予言”や“2000年問題”がどうなるのかという不安と、“ミレニアル”というこの瞬間にしか体験できない節目に高ぶる気持ちの両方が混在するものでしたが、結果2000年トラブルは起きなかったものの、90年代の“失われた10年”がそのまま“失われた20年”となってしまった10年とも言われています。バブル崩壊から少しずつ景気も変化し “いざなみ景気”と呼ばれ、IT起業家など新しい時代の象徴が登場するものの、リーマンショックで再び不況となり、なんとなく先への期待がしにくいモヤモヤ時代。

 女性たちを見ると、『電車男』の影響で“オタク”が広く認知され、受け入れられていく中で、女性も“干物女”、“森ガール”、“腐女子”など、これまでと違う嗜好の女性たちが登場。KY(空気が読めない)という言葉で周りを気にする一方、『世界に一つだけの花』のヒットに後押しされるように、「個性を出してもいいのかも」と思うような気持ちが芽生え、“自分探し&自分磨き”の時代になっていったのではないでしょうか。ただ、この時点では、「人に受け入れられる範囲での個性」というように限定的だったように思います。

変わりつつある中で、本質を見極め始める

 そして、2010年代。スマホとSNSの普及で何でも調べられるようになり、表面的に飾ってもいろいろな角度で裏側も見られてしまうようになって炎上が多発。“ミニマリスト”、“ありのままで”という言葉も流行り、人々は“本質の追究”に向かっていきました。

 「自分にとって本当に大事なものは何か?」「実は今まで無理をしていたのかも?」という揺さぶりがかかり、SNSでの個の発信力が高まったことも重なって、「保育園落ちた日本死ね」の流行語や、#metoo運動に表れているように、固定観念やこれまでの慣習への違和感が次々と浮き彫りになり、問いかけられるようになってきました。まだ世の中全体が “変革”の流れと旧来の価値観とぶつかっている過渡期ではありますが、企業の活動や広告も、そんな女性たちを応援し、一緒に意識や仕組みを変えていこうというメッセージが増えてきました。

サステナブルライフを求めて

 いよいよ今年から始まる2020年代は、テクノロジーが急速に発展する中での人生100年時代。国や会社、家族のあり方も、これまで経験したことのない時代に突入し、自分の足で立つことが求められるようになり、人々の本質追究は「ゆるく、ながく、ここちよく」いる・できることに焦点が当たるのではないかと考えています。

 ファッション・美容では、ラクだけでなく、高額ドライヤーや医療美容など、多少コストをかけても少し長い目で見れば身になるものや本質改善の投資が増えていたり、インテリアだけでなく、掃除や収納テクニックのインフルエンサー発信が人気で、生活基盤を整える方向に向かっていたり、人間関係、パートナー選び、メンタルヘルス、情報などのさまざまな領域で、基盤を整えるための学びや、見極めるための選択が、すでに始まっています。この「ゆるく、ながく、ここちよい」生活や人生を望み、行動していく志向性を「サステナブルライフ」と名づけました。

 “サステナビリティ”とは「持続可能性」という意味で、エコや環境問題といった社会テーマの中で使われることが多かったですが、こうしたサステナブルな考え方が個人レベルで、さらに日常レベルで実は行われ始めていることに注目しています。男性よりも寿命が長く、結婚・出産しても「私」という個が大事にされるようになった女性を中心に、今後もこの流れが広がっていくのではないでしょうか。

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https://www.hakuhodo.co.jp/magazine/series/career_woman2020/