ピンクのツリー、アドベント、クリスマスマーケット…… 多様化するクリスマス事情

(写真:アフロ)

 12月に入り、街もお店もクリスマスムードになってきました。もともと海外の風習でしたが、恋人から家族まで楽しめるイベントの中でも定番のクリスマス。近頃は、さらにクリスマスの楽しみ方も広がり、変化してきています。

クリスマスツリーは広がる選択肢で自分流に

 クリスマスといえば、モミの木の緑や飾りつけの赤、雪の白など、いわゆる“クリスマスカラー”と呼ばれる色が特徴的です。しかし、最近のクリスマスツリーやリースはピンク系、ブラウン系やアッシュ系にモノトーンなど、様々なカラーバリエーションが登場しています。また、カラーだけでなく、素材のバリエーションも増えています。私が子どもの頃は、プラスチックでできた組み立て式のツリーに、オーナメントや電飾を付けたものですが、今はガラス、紙、フェルト、積み木のような木でできたツリー、タペストリーなど壁に吊るすものから、本物のモミの木など、素材や大きさ、飾り方もまちまち。さらに、和風やボヘミアン、お花やヒトデや、貝殻などオーナメントのテイストも増えています。単身世帯や核家族が増え、あまり場所を取らない形が求められることや、家のインテリアの色に統一感を持たせる人が増えている影響もあり、部屋にマッチするよう、自分ならではのものを選びたい、という意識が表れているのだと思われます。

手作りケーキやごはんでの食卓デコレーション

 また、リース型やツリー型に緑の野菜を並べて、トマトやカラフルな野菜でサラダをデコレーションしたり、クリスマス風の紙皿、紙ナプキン、紙コップなどで食卓を飾りつけたりするホームパーティーの様子がSNSによく挙がっています。「クリスマスケーキは自分で作りたい」というお子さんのご要望でケーキを作ったというご家庭もあり、ロールケーキやシュークリームをツリー状にする場合もあれば、ケーキキットも売っています。SNS映えしやすいクリスマスの食卓は、ツリーやリースだけでなく“飾りつけ”として楽しめるのではないでしょうか。

クリスマス当日までの過程を楽しむ

 クリスマスのグッズは、先に挙げたツリー、リースに加え、最近は“アドベント”と言われるイエス・キリストの降誕を待ち望む期間を祝う海外の習慣も少しずつ入ってきています。12月1日からクリスマスまで1日ずつ違うお菓子やおもちゃなどが出てくるカレンダーで楽しみながらカウントダウンしていくアドベントカレンダーが、子ども用だけでなく、大人用のコスメなどでも登場しています。薄く切り分けて食べながら味が変化していく様子も楽しむパン菓子のシュトレンもパン屋やケーキ屋、小さいものはコンビニでも買えるようになってきました。これらの共通点は、“クリスマス当日までの過程を楽しむ”ものであること。これは、作り手・売り手側がクリスマス当日以外にも消費を促すという目的で、広がってきている側面もありますが、生活者もイベントをより長く楽しもうと思うようになってきているからでしょう。

洋風縁日のクリスマスマーケット

 アドベントに開催されるドイツ発祥のクリスマスマーケットも、日本で広がりを見せています。飲食店の屋台やクリスマスグッズを販売するお店が立ち並ぶ広場には、クリスマスピラミッドやホットワインであるグリューワインなど、さらに本場ヨーロッパの雰囲気が味わえます。クリスマスというと誰かと過ごすイメージがまだまだ強いかもしれませんが、外で人もにぎわっているので、一人でもふらっと立ち寄れる気軽さがあります。レストラン、イルミネーション、ホームパーティー以外のクリスマスを楽しむ場として今後も広がるのではないかと思います。

クリスマスの多様化はなぜ生まれている?

 このように、クリスマスは楽しむアイテムや楽しみ方に選択肢が増えて、多様化を遂げていますが、なぜなのでしょうか?

 日本のクリスマスは、本来の意味合いの宗教的な側面よりもイベントの側面が強いです。元々サンタクロースが赤い服なのも一企業のプロモーションから始まっているため、先にも触れたように商業的な側面が強く、モノがあるから人々が消費するという構造でもある一方で、最近の生活者も、イベントを楽しむ気持ちが強くなってきていて、昔はなかったハロウィン、イースターや、ハーフバースデー、ハーフ成人式など、特定の時期や節目を祝うイベントも増えています。面白そうなことに乗っかり、イベントを最大限に楽しもうというニーズもあるからこそ、多様化が進んでいくのだと思います。

 バブル崩壊後に生まれたり、幼少期を過ごしたりしてきたミレニアル世代は、そうした不景気な中でも、たくましく自分たちで楽しみや幸せを増やしていく気持ちが強いのと、情報もモノも多い中で自分が好きなようにカスタマイズやチョイスをするのも上手だという傾向があります。そんなミレニアル世代がイベントの盛り上がりを牽引しているのでしょう。

 クリスマスまでのあと2週間。アドベントも当日もまだまだ楽しめますので、これまでの定番と少し違った新しいクリスマスのグッズや風習を取り入れて過ごしてみるのもいかがでしょうか。