旅行好きにも種類があった! 旅行タイプから考える女性インサイト

(写真:アフロ)

旅行=非日常体験の先にあるものとは?

 すっかり涼しくなって行楽日和となってきました。ショッピング、ピクニック、スポーツなどレジャーで行うことはいろいろありますが、女性の好きなものの一つに“旅行”があります。20-34歳の働く男女の調査を見ますと、男女差が最も大きかった趣味・レジャー活動は”海外旅行”でした。私自身も国内外問わず旅行が好きなので、実際に旅行に行くことも多いですし、旅行好きな知り合いが多いのですが、一口に「旅行が好き」と言ってもタイプが分かれるな、と日頃から感じています。

 旅行の目的と言えば、どんな人も共通しているのは「非日常な体験をしたい」ということだと思います。ただし、その非日常体験を求めるインサイトは、人の嗜好によって変わってきます。あるいは、同じ人の中でも、心境に合わせても変化します。今回はそんなインサイト別に旅行タイプを考えてみたいと思います。

出典:アサヒグループ食品・博報堂キャリジョ研合同調査 「若い世代の働き方やリフレッシュの意識と実態に関する調査」(2019)
出典:アサヒグループ食品・博報堂キャリジョ研合同調査 「若い世代の働き方やリフレッシュの意識と実態に関する調査」(2019)

1.非日常でリセットしたい回復系旅行

 まず初めに、温泉やリゾート系の旅行を取り上げます。日々の生活で疲れてしまい、“癒し”や“デトックス“を求める旅行。旅行では非日常環境になることで、仕事や家事など日々のルーティンから、またコミュニティから解放され、自分のペースで好きなように過ごすことができるようになります。このような、ネガティブな面を忘れたてリフレッシュしたい”回復系“インサイトが、このタイプの旅行のインサイトだと思います。昔からある”傷心旅行“もまさにこのタイプの旅行でしょう。

パワースポットを目指したり、めぐったりするような旅行は、リセットというよりさらにプラスにしたい欲求が高いですが、そもそも「パワーを分けて欲しい」という気持ちになっているということは、うまくいっていない時に感じやすいと思いますので、”回復系“に入るのではないかと思います。

2.非日常を謳歌したい充足系旅行

 二つ目に挙げるのは、楽しみたい、学びたいなどプラスへの欲求を満たす“充足系”の旅行です。具体的なアクティビティは、その土地・国ならではのグルメやお酒、ショッピング、遺跡・建物などの文化、音楽・博物館・美術館などの芸術、スポーツや手作りなどの体験、地形などが織り成す自然風景など、細分化されますが、一言で言ってしまうと「アクティビティを楽しみたい」というモチベーションです。個々のアクションは違っても、共通するインサイトとしては、日常とは違う環境に身を置くことで得られる“発見”の楽しみや、知識はあったものを実際に五感で体験することによる“確認・納得”の楽しみを得たいというものではないでしょうか。さらに、日常との違いは非日常のよさを感じるだけでなく、日常のよさの再発見になる場合もあり、旅行から帰ると何かしら頭や心が豊かになったり、成長したと感じたり充足を感じやすいと思います。

 

3.非日常の中で関係を深める親和系旅行

 これまでの二つ旅行タイプは一人旅でも実現可能でしたが、行く人や過ごす人が重要になってくる旅行もあります。家族、友達、恋人、同僚など、様々な人で成り立ちますが、いずれも普段から接点はあるが、よりお互いを知ったり、一緒に共有体験を持つことで仲良くなる旅行を求めています。場所の選択は、回復系、充足系どちらの視点もあり得ると思いますが、目的は親睦を深めることになる点が特徴です。一緒に行くパターンの派生で、旅行先に家族や知り合いがいるので会いに行く旅行もあります。この場合も、“会って一緒に過ごす”ことが重要です。

 もう一つ、現地の人との出会いや旅人同士の交流を楽しむ旅行スタイルもあります。積極的に話しかける人から、ホームステイなど暮らしにも入り込む人も。知らない人と知り合うことでの発見がある充足系の側面もありますが、回復系、充足系ともに場所選びにも反映されるインサイトなのに対して、親和系はどこであっても“人との関わり”により重きを置かれているので、別分類になりそうだと考えます。

男性にとっての旅行の代わりは?

 同じ「旅行好き」の中で、好きな旅行系統やアクティビティが異なると重視することも変わってくるので、どんな旅行が好きなのか?あるいは今どんな旅行を求めているのか?を考え、誰かと一緒に行く場合は特に、このタイプがズレていないか?ズレていても合わせされるのか?はチェックが必要そうです。最近は女性の一人旅プランも増えていますが、同行者と時間とお金の都合を合わせるだけでなく、この旅行タイプを合わせることも大変だから、いっそのこと一人で目的を達成しようと思う女性が増えているのかもしれません。

 ちなみに、冒頭と同じデータで“男性が特徴的に高い項目”を見ますと、”ゲーム”や”ジョギング・マラソン”、”スポーツ”が続きます。いずれも没入体験ができ、行っている瞬間は非日常的でもありますし、個人で楽しむもの、人と一緒に楽しむものといったバリエーションがあることから、女性にとっての”旅行”の役割を、男性に対して果たしているのかもしれません。

出典:アサヒグループ食品・博報堂キャリジョ研合同調査「若い世代の働き方やリフレッシュの意識と実態に関する調査」(2019)
出典:アサヒグループ食品・博報堂キャリジョ研合同調査「若い世代の働き方やリフレッシュの意識と実態に関する調査」(2019)

(※「その他スポーツ」は記載項目以外の「ウィンタースポーツ」「水泳」「ゴルフ」「ウォーキング/散歩」を除いたスポーツ)