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気候変動と持続可能な農業への道のり

松平尚也農業ジャーナリスト、龍谷大学兼任講師、AMネット代表理事。
アジアで頻発する旱魃(ベトナム 2010)(写真:ロイター/アフロ)

 世界的に異常気象が頻発化している。米国のブリティッシュコロンビ大学のラマンクティ教授によると、熱波と干ばつによってトウモロコシ、小麦、コメなどの穀物の収穫高が過去50年で10%も減少したということだ。ここで立ち止まって考える必要があるのが、影響を受けている農業の現状だ。世界の農村では、工業型農業と呼ばれる農薬と化学肥料に依存する大規模なモノカルチャー栽培が拡大している。農業の石油資源利用もこうした工業型農業での利用割合が高い現状がある。

 日本においても21世紀に入り、農業における気候変動による影響について研究が進むようになった。2005年に国の農業関係研究機関・農研機構が行った調査によると、多くの都道府県で影響がすでに出ており、水稲(コメ)の高温不稔(おコメが稔る時期に暑過ぎて稔らなくなること)による収穫量の減少、野菜の生育障害、病害虫の多発が報告されている。

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農業ジャーナリスト、龍谷大学兼任講師、AMネット代表理事。

農・食・地域の未来を視点に情報発信する農業ジャーナリスト。龍谷大学兼任講師。京都大学農学研究科に在籍し国内外の農業や食料について研究。農場「耕し歌ふぁーむ」では地域の風土に育まれてきた伝統野菜の宅配を行ってきた。ヤフーニュースでは、農業経験から農や食について語る。NPO法人AMネットではグローバルな農業問題や市民社会論について分析する。有料記事「農家ジャーナリストが耕す「持続可能な食と農」の未来」配信中。メディア出演歴「正義のミカタ」「めざましテレビ」等。記事等に関する連絡先:kurodaira1974@gmail.com(お急ぎの方は連絡先をご教示くだされば返信します)。

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