強豪カナダに4-0の快勝!東京五輪に向け、リスタートを切ったなでしこジャパン
なでしこジャパン(日本女子代表)は10月6日(日)、静岡市のIAIスタジアム日本平でFIFAランク7位の強豪、カナダ女子代表と国際親善試合を行った。
女子W杯後、初となる代表活動で、東京五輪に向けて幸先の良いリスタートを切った。
強豪カナダに4-0の快勝!東京五輪に向け、高倉ジャパンが示した揺るぎない幹
以下、試合後の監督・選手コメント。
監督・選手コメント
高倉麻子監督
ーー4-0の快勝でした。試合を振り返っていただけますか。
今日はカナダというトップクラスのチームに来ていただいて、素晴らしい環境のもとで試合をすることができたことを非常に嬉しく思います。結果的には4-0ということで完勝に見えますが、もたついた時間がありましたし、世界のトップに立とうと考えた時には細かいプレーの精度を修正していく必要があります。選手たちは強い気持ちで戦ってくれました。修正するところは伸びていくところと考えて、1日1日を大切に成長していきたいと思います。
ーー前半は大きな(裏の)スペースを使った場面も多く見られましたが、そういう方針だったのですか。
W杯では足下へのボールが多くなってしまうところがあったので、全体のバランスとして攻撃の時は幅と深みを取る中で、前半の戦い方としては、裏に走った選手を使おうという狙いがありました。積極的に飛び出して行こう、と伝えた中で大きな展開も見られたのかなと思います。
ーー追加点を得る時間帯に決定的なチャンスを外した場面もありました。
前半、いい入り方をした中で得点できたことは良かったと思います。でもその後、2点目を決めきることができない間に、自分たちのミスが目立って、その中でペースを握られてしまう時間が多くなりました。セットプレー(の強み)や相手の優れたストライカーが一撃を持っている場合には今日のようにはいかないと思いますし、本番は相手の強度も上がると思います。最後は相手の集中力も切れたところがあったので、ゲームの流れを自分たちに引き寄せながら勝ちに持っていくところはまだまだかなと思います。
ーーフランスに行けなかった選手が五輪の少ない枠に入る上で求める条件はありますか?
どんな状況でプレーをしても、その状況にあったプレーができることがサッカー選手としては非常に大事だと思います。前線は特長のある選手が多く、どんな特長をチームに組み込んでいくのが最適なのかという競争になると思います。自分の良さを出す力と、判断の良さは全員に求めていきたいと思っています。
DF 熊谷紗希(主将/オリンピック・リヨン/フランス)
ーー4-0の快勝でした。
いい時間帯に点が取れて、守備も最後まで(集中を)切らさずにゼロで抑えられたことは大きな成果だと思います。W杯の悔しさを知っているメンバーが多い中、世界で戦うためには同じ準備をやっていてもダメだとわかっていたので、チームとしても狙いを明確にしてこの試合に臨みました。簡単なミスから失って、状況が悪くなったり、エラーもありましたが、やりたかったことをトライできました。失点はしていないですけど、攻められた時に少しバタバタしたところがあったので、横と縦の関係、連係を含めてもっと良くしていきたいと思います。
ーー守備も相手にうまく対応できていました。
そうですね。相手が3-5-2でくるかもしれないということは事前に分析の中であって、そこに対応する形も練習してきました。前から(守備に)いったことで相手のミスを誘ったり、前向きでボールを奪うところも数多くあったので、そこは自信にしていきたいなと思います。
ーー若い選手たちの活躍もありましたが、いかがですか。
出てきた選手一人ひとりが自信を持ってプレーした結果、いろんな選手の得点につながったと思うし、今回はW杯を経験した選手が多く、その経験は大きな自信になっていると思います。オリンピックを戦う上で、そういったチームでつけた自信も個人としての自信も積み上げていけばチームの力になると思います。
FW 岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)
ーー先制点の場面はきれいに崩しましたが、W杯を戦って成熟してきた部分でしょうか?
(菅澤)優衣香のキープから(中島)依美が裏に走って、合わせるだけの素晴らしいボールだったので、(チームワークの)いいところが出たゴールでした。(後半は)相手の状況を見て各自が判断できていました。相手が点を取りにきてスペースが空いてきたし、それを11人全員が感じることができていたと思います。
ーー1点目もアシストした(3点目の)場面も足下ではなく、走りながらボールを受けていました。意識していたのでしょうか。
ポジション別のビデオを見たのですが、FWはまず裏に、ということを要求されていたので。自分と(菅澤)優衣香だったり、自分と(長谷川)唯というように、一人が足下で受けて一人が裏に抜けるといういい関係が作れていたと思います。
ーーW杯ではベスト16で敗退してしまいましたが、今日の快勝でホッとした部分もありましたか。
ホッとはしていませんが、W杯が終わって全員で切り替えた中でいい練習ができていたし、いいリスタートが切れたと思います。ここがゴールではないので、上を目指して継続していくだけです。
ーーW杯を経て、代表に対する思いは深まりましたか?
自分が年上の世代になってきたので、若い選手に積極的に声をかけながらやっています。もっとやってほしいなと感じる部分もあるので、そういう部分を伝え合いながら、いい雰囲気でできるように、さらに頑張りたいと思います。
FW 籾木結花(日テレ・ベレーザ)
ーー前半終了間際にピッチに入りましたが、どのようなイメージで試合に入りましたか?
相手が5バックだったり4バックだったり、(ボランチの)13番(MFソフィー・シュミット)の選手がディフェンスラインに降りるケースなど、いろんなシチュエーションを考えた中で、自分たちがどんな守備をするのかを練習でもミーティングでも話し合いを重ねていたので、自分がピッチに立った時のプレーは試合が始まった時からイメージできていました。前半、残り数分というところでしたけど、スッと(スムーズに)入れたかなという感覚はあります。
ーーこの1年で、チームとしてはどのようなところが成長したと思いますか?
W杯が終わって、みんながあの敗戦から東京五輪に向けて、ここからもう一回、自分たちの力で優勝を掴み取るんだという意識がチームの中にあると感じますし、練習とかオフのところも含めて質が上がっていると思います。意識の違いが、今までとは違っていると感じます。
ーーW杯が終わった後、クラブで取り組んできたことから自分のプレーが変化した部分はありますか?
W杯からベレーザに戻ってやってきたことは、(ベレーザの)永田雅人監督が就任した昨年から積み上げてきているものの延長線上にあります。その中で、自分がボールを持った時の選択肢は少しずつ変わっているなと思います。
DF 宮川麻都(日テレ・ベレーザ)
ーー今日の試合で、自分のプレーを振り返っていかがですか?
スタメンで出たのは2回目だったのですが、前に出た(3月の)ブラジル戦では何もできなかったので、今日は思い切ってプレーしました。前半は相手が引いていたのですが、後半は相手が前から来ていたので、間のスペースが空いていてやりやすかったですね。守備は前が追って限定してくれていたので、後ろは奪うだけでした。
ーー試合前にイメージしていたプレーと、自分の中で印象に残っているプレーを教えてください。
臨機応変にやる中でも、自分しかできないプレーを出していこうというのは考えていました。サイドバックがビルドアップに参加することが必要だと思うので、センターバックから積極的にボールを受けて前に運んだり、前への意識を強く持つようにしました。前半、中に入り込んで中島(依美)さんに当てたプレーは、いつもベレーザでやっているようなプレーができて嬉しかったです。
ーーW杯に行って、試合に出られなかった悔しさがありましたか?
試合に出られなかった悔しさとともに、自分には足りないものがたくさんあると感じました。その中で、帰国してから自分のチーム(ベレーザ)で足りないところを努力しました。