フランス女子W杯メンバーが発表!23名メンバー紹介(1)

世代交代後、初のW杯に臨むなでしこジャパン(写真:アフロ)

 6月7日(金)から7月7日(日)にかけて、フランスで開催される女子W杯に臨むなでしこジャパンのメンバー23名が5月10日(金)に発表された。

 日本は18年のAFC 女子アジアカップで優勝し、アジアチャンピオンとして今大会に臨む。そして、11年のドイツ大会(優勝)、15年のカナダ大会(準優勝)に続く、3大会連続の決勝進出を目指す。

 だが、過去2大会とは選手の顔ぶれが大きく異なる。

 16年のリオデジャネイロ五輪予選敗退の後、同年4月に佐々木則夫監督からバトンを引き継いだのが高倉麻子監督だ。

 それまで、U-17やU-20などの年代別代表を率いていた高倉監督は、チームがスタートしてから3年間で総勢63名の選手を招集。自身が育成年代で見てきた選手も積極的にフル代表に抜擢した。 

 また、海外強豪国とのマッチメイクを増やし、より多くの選手に国際試合を経験する機会を与えている。競争を促しながら選手を絞り込んできた。

 この間、日本は43試合(公式戦も含む)を戦い、成績は22勝14敗7分だった。

 高倉監督は最終的な選考のポイントについて、

「(国際大会を戦う上で)まだまだ力が足りないという状況でも、様々な選手を試合で積極的に使ってきました。その中で壁にぶつかり、うまくいかないこともありましたが、その時に考え、工夫をし努力して、次に会った時にしっかり修正してきた選手が残ってきました。その跳ね返りの強さにはいつも注目していました」

 と、伸びしろも大きな選考基準になっていたと話している。

 今大会に選出されたメンバー23名の平均年齢は23.9歳で、前回大会(27.7歳)に比べてかなり若い構成となった。前回大会経験者は6名で、W杯経験者が17名を占めた前回大会に比べるとかなり少ない。

 一方、ディフェンディングチャンピオンのアメリカは前回大会経験者が過半数の12名を占めており、全体の平均年齢は28.3歳だ。この数字は、前回大会(29.13歳)と大きく変わらない。 

 欧州では育成や普及とともに女子代表チームの強化に力を入れている国が多く、急速に力をつけている国もあり、群雄割拠の様相を呈している。その意味では、女子サッカー界の新たな勢力図を占う大会になるだろう。

 日本は前回大会で決勝に進出しているが、W杯や五輪で経験と実績がある選手は一握り。今大会ではチャレンジャーとして臨むことになる。

 高倉監督はチーム作りの過程において、W杯の短期決戦で起こりうることを想定し、テストマッチでは様々な組み合わせやシステムを試してきた。選手の起用法も試合によって異なり、対応力や個の力の底上げを図りながら、チームの柔軟性を高めてきた。

 昨年、日本はW杯アジア予選とアジア競技大会で2つのタイトルを獲得したが、 スピードやパワーに勝る欧米国との対戦では大量失点で敗れたこともある。その都度出てくる課題を成長の糧にしてきた。

 2011年のW杯優勝経験を持つベテラン選手を中心に選手間のコミュニケーションを深め、世代間の融合はスムーズに進んだ。攻撃陣は若手や新戦力の台頭も目立ったが、守備面ではレギュラーのDF熊谷紗希とDF鮫島彩が中心となり積み上げを図ってきた。

 大会直前の今年3月と4月には、FIFAランク1位のアメリカ(△2-2)、10位のブラジル(○3-1)、3位のイングランド(●0-3)、4位のフランス(●1-3)、2位のドイツ(△2-2)との5連戦を行い、結果は1勝2敗2分。優勝候補各国とのテストマッチを通じて多くの課題が出た。それを、どれだけ修正して初戦に臨めるかは重要なポイントだ。

 そして、大会中もピッチ内外でのコミュニケーションと「修正力」が、日本が勝ち上がる鍵になりそうだ。

 今回、メンバー入りした若い選手の多くは、小・中学生の時になでしこジャパンの女子W杯優勝をテレビで見ている。そのため、世界で勝つことを「夢」ではなく「現実的な目標」として捉えてきた。

 そして、年代別代表では14年のU-17女子W杯(優勝)、16年のU-20女子W杯(3位)、18年のU-20女子W杯(優勝)などを経験している選手が多い。

 チームは5月22日(水)から5日間の国内合宿を行い、27日にフランス入り。6月2日(日)にスペインと親善試合を行い、10日(月)にグループステージ初戦でアルゼンチンと戦い、14日(金)にスコットランド、19日(水)にイングランドと対戦する。

 今回選ばれた23名の選手を、ポジションごとに紹介したい。まずはGK。

(写真はすべて筆者撮影)

DF(8名)

MF(6名)

FW(6名)

FW(修正版)

【GK(3名)】

池田咲紀子
池田咲紀子

1 池田 咲紀子 イケダ サキコ(浦和レッズレディース/26歳)

ゲームの流れを読む力と状況判断の良さ、安定感が光る。GKとしては国際大会では小柄な方だが、足下の技術はフィールドプレーヤーさながらで、プレッシャーの中でも余裕を感じる。日本で開催された2012年のU-20W杯で日本は3位になったが、その時の正GKとして注目を浴びた。浦和では、代表のゴールを15年間守り続けたGK山郷のぞみ(現在は2部のちふれASエルフェン埼玉のコーチ)の背中を見て鍛錬を積んだ。練習や試合前など、良いパフォーマンスを発揮するための準備が徹底している。向上できるポイントを常に探しており、最近は味方のパスを受ける際のポジショニングを見直しているという。感情のコントロールにも長けており、どこか達観した印象を受けるが、まだ26歳。細かくパスをつないで崩すタイプの相手に対しては、その技術の高さが生きるはずだ。

山下杏也加
山下杏也加

18 山下 杏也加 ヤマシタ アヤカ(日テレ・ベレーザ/23歳)

23歳の若さで代表正GKの座を射止めた将来性豊かな守護神。優れた反射神経と高い身体能力で、並のGKが触ることすら難しいような際どいコースのシュートも抜群の反応で防ぐ。FW出身で足下の技術が高く、キックの飛距離も伸びる。昨年のW杯アジア予選では5試合中準決勝以外の4試合に出場し、決勝ではスーパーセーブを連発。獅子奮迅の活躍で優勝の立役者になった。国内王者のベレーザでは高く設定された最終ラインの背後を広くカバーし、15年から4年連続の最少失点を支えた。海外での完全アウェーの雰囲気もモチベーションに変える強靭なメンタルの持ち主で、迫力のある立ち姿や、ビッグセーブの後のガッツポーズなども見ていて楽しい選手だ。各国の猛者が揃うW杯の舞台でも、その強心臓ぶりを発揮してほしい。

平尾知佳
平尾知佳

21 平尾 知佳 ヒラオ チカ(アルビレックス新潟レディース/22歳)

今年4月のドイツ戦で好プレーを連発し、勝負強さを見せた若手注目株。身体能力が高く、跳躍力を生かしたクロスへの対応は国内随一だ。当時17歳だった14年に浦和の強化指定選手になり、リーグ優勝に貢献。高倉監督が率いた16年のU-20W杯(3位)では正GKとして活躍し、同年7月にフル代表に引き上げられた。その後はケガや不調にも苦しみ代表から約1年半遠ざかったが、昨年2月の「なでしこチャレンジキャンプ」で再びチャンスを掴み、同年4月のW杯アジア予選で代表に復帰した。17年末に浦和から新潟へ移籍してポジションを掴み、試合勘、ポジショニング、メンタル面などが向上。また、1対1の対応でも急成長を遂げており、まさに伸び盛りだ。明るい性格で、チームの雰囲気を盛り上げるムードメーカーでもある。

異なる個性を持った3人の守護神が日本のゴールを守る
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