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主な新興国/米国経済ニュース(19日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ロシアのプーチン大統領、外貨準備温存の必要性を強調―会見

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は18日の年次会見で、週明け早々の15-16日の自国通貨ルーブルの急落に関し、「ロシア経済の安定化に必要な十分な量の外貨準備を保有しているが、中銀は闇雲に(ルーブル安阻止のための市場介入で)、現在4190億ドル(約50兆円)に達している外貨準備を浪費すべきではない」とした上で、「政府はルーブル相場を安定させるため、輸出企業に対し海外で稼いだ外貨を抱え込まないよう求めていく必要がある」との考えを示した。英紙デイリー・テレグラフ(電子版)などが伝えた。

同大統領は、市場で懸念されていたルーブル安阻止のための資本移動規制の導入の可能性については言及しななかった。この背景には、一方、ルーブル相場が17日から18日にかけて、ロシア中銀がルーブル安で打撃を受けた銀行への7項目の支援策を発表したことや、政府が大手輸出企業に対し外貨の売却を指示したとの地元紙ヴェードモスチの報道で、16日の1ドル=80.1ルーブルの危機的水準から、18日午前には1ドル=59ルーブルにまで急回復したことがある。ルーブル相場はプーチン大統領の外貨準備の水準を維持するとの発言で、一時、ルーブルは1ドル=63.75ルーブルまで下落したが、その後、朝方の59ルーブルの水準に戻っている。

英コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスは英紙フィナンシャル・タイムズの18日付電子版で、プーチン大統領の会見内容について、「ルーブル相場に新たな急落の兆しが見られないことから、今後、通貨危機対策で大きな変更は期待しにくい。ただ、今の高水準の政策金利は2015年の大半まで続けられ、ルーブルの流動性が不足し、外貨準備は維持され、資本移動規制は最後の手段として使われる可能性がある」と総括。他のアナリストもルーブル安を阻止するためには、政府と中銀はもう一段の対策を打つ必要があると指摘する。

また、プーチン大統領は、経済の見通しについても「現在の苦境を脱し、景気が回復するには今後2年間はかかる」との見通しを示した。

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米マラソン・オイル、来年の設備投資額を20%削減へ―原油価格低下で

米石油・天然ガス大手マラソン・オイル<MRO>は17日、原油価格の下落に対応するため、2015年の設備投資額を前年比20%減の43億-45億ドル(約5100億-5400億円)に削減する方針を明らかにした。この結果、同社の来年の米国での原油生産量は10%に近い一桁台の伸びになるとしている。

ただ、来年度予算の確定の時期については、原油価格が流動的で、油田関連コストへの影響も考慮する必要があることから来年2月まで延ばすとしている。

原油先物価格は、17日は1%高となったものの、依然としてこの6カ月間で47%も下落しており、同社のリー・ティルマンCEO(最高経営責任者)は、「2015年の設備投資額は、生産縮小というよりも原油価格の下落が続く中でキャッシュフローを健全な水準に維持することを主眼に置いている」と述べている。

同社の株価は17日、5.37%高の26.67ドルで引けたあと、時間外取引の米東部時間18日午前8時18分時点で3.49%高の27.6ドルと、一段高となっている。

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米エイボン、中国子会社の贈賄事件で司法省・SECに和解金160億円支払いへ

米化粧品大手エイボン・プロダクツ<AVP>は17日、中国子会社の贈賄事件をめぐり、米司法省と米証券取引委員会(SEC)に計1億3500万ドル(約160億円)の和解金を支払うことで合意したことを明らかにした。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチなどが伝えた。

これは同社の中国子会社が政府職員に賄賂を贈ったことを未然に防げなかったとして、海外腐敗行為防止法(FCPA)違反の共同謀議の疑いで調査を受け、その後、有罪を認めたため、司法省に6800万ドル(約81億円)、SECに6700万ドル(約80億円)の制裁金の支払いが言い渡されたもの。

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インドネシア財務相、来年のインフレ率は4.5-5%上昇に減速すると予想

インドネシアのバンバン・ブロジョネゴロ財務相は18日、来年の同国のインフレ率は4.5-5%上昇に減速するとの見通しを明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)などが伝えた。

今年のインフレ率は、中銀予想によると、11月中旬の補助金付き燃料価格の30%超の引き上げで、7.9%上昇になる見通し。一方、経済成長率の見通しについては、財務省は、今年は5.1%増と、2009年以来4年ぶりの低成長となるものの、来年は5.8%増と予想しているが、同相は2016年には7%増と、経済成長ペースが一段と加速する可能性があるとしている。

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大和PIパートナーズなど、ベトナム酪農大手IDPの最大株主に

大和証券傘下の投資会社、大和PIパートナーズとベトナム最大の資産運用会社ビナキャピタルが運用するロンドンAIM上場の投資ファンド「ベトナム・オポチュニティーズ・ファンド(VOF)」は18日、共同でベトナムの酪農製品大手インターナショナル・デイリー・プロダクツ(IDP)に4500万ドル(約54億円)を出資することを明らかにした。ベトナムの声・ハノイ放送局(電子版)が伝えた。

4500万ドルの出資の内訳は80%がVOFで、残りの20%が大和となっており、両社は今回の出資でIDPの株式の過半数を超える70%を取得し、最大株主となる。大和PIパートナーズの藤山氏は、「今回の当社の出資はベトナムで初めての投資となる」と述べている。

IDPは2004年創業で、現在、ベトナム国内の3カ所に生乳生産工場を保有し、2000軒を超える酪農家から1日75トン超の生乳を集荷しミルクを生産している。2014年の売上高は約15億ドル(約1800億円)になる予定。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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