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主な新興国/米国経済ニュース(16日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

三菱UFJファイナンシャル、ロシアから撤退せず―平野CEO

三菱UFJファイナンシャル・グループは、ウクライナ危機に絡んだ欧米による対露経済制裁が続く中、ロシアのモスクワとサンクトペテルブルクの2カ所にある関係会社やオフィスでの業務を継続させる方針だ。国営イタルタス通信(電子版)が12日に伝えた。

これは同グループの平野信行社長兼CEO(最高経営責任者)が先週11日に米ワシントンDCで開かれた国際金融協会(IIF)の懇談会で、イタルタス通信に対し明らかにしたもの。ただ、同CEOは欧米の対露制裁が行われている状況下では、ロシアでの業務拡大は限定的にならざるを得ないとの考えも示している。

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ロシア経済発展相、外国格付け機関による格下げの可能性を示唆

ロシアのアレクセイ・ウリュカエフ経済発展相は14日、記者団に対し、今後、ロシアのソブリン債の格付けが外国の主要な信用格付け機関によって引き下げられる可能性があることを示唆した。ただ、同相は、「そうした格下げは自らの無能力さと(ロシアへの)偏見を示すものほかならない」と痛烈に批判している。国営イタルタス通信(電子版)が伝えた。

同相は、「今日、世界の信用格付け機関がロシアのソブリン債の格付けを引き下げるかも知れないという風説が流布されている」とした上で、「そもそも格付け機関の格付けとは長期のソブリン債の信用(返済能力)を示すものだが、ロシアの対外債務はGDP(国内総生産)比3%未満、他方、公的債務は同11%で、これは必要であればこれらの債務は1年以内に完済が可能なものだ。ロシアのマクロ経済と金融システムはかなり安定しており、このわずかな対外債務が奇跡的に支払われなくなるリスクはゼロだ」と述べている。

ただ、同相はロシアのソブリン債が格下げされれば、ロシアの企業の債務に対する信用が損なわれ、企業の格付けが引き下げられる恐れがあるとしている。

最近では、米信用格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が今年4月にロシアのソブリン債の格付けを「BBB」から「BBB-」へ引き下げ、格付けを引き下げ方向で見直す「レーティング・ウォッチ・ネガティブ」としている。米英大手信用格付け会社フィッチ・レーティングスは7月に外貨建てと自国通貨建ての長期発行体デフォルト格付け(IDR)を「BBB」のまま据え置いている。

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シティグループ、日本など11カ国でリテール金融事業から撤退へ

米金融大手シティグループ<C>は事業再編の一環として、2015年末までに日本を始めハンガリー、パナマ、チェコ、エジプト、ペルー、コスタリカなど全世界11カ国でリテール(消費者向け個人金融)事業から撤退することを決めた。

日本についてはシティバンク銀行株式会社個人金融部門とシティカードジャパン株式会社が売却の対象となるとしている。この結果、シティグループのリテール事業は24カ国(顧客数5700万人)と、2年前にマイケル・コーバット氏が新CEO(最高経営責任者)に就任した当時の41カ国からほぼ半減するが、それでも既存のリテール事業収入の95%を占める。また、11カ国でのリテール事業撤退で、シティグループはリテール事業収入の5%相当のコストを削減することが可能になるとしている。このほか、韓国では個人向けローン部門を廃止する。

米経済情報専門サイトのマーケットウォッチによると、米投資顧問会社バイニング・スパークスのアナリスト、マーティ・モスビー氏は、「今回の11カ国からのリテール事業撤退はシティグループにとって、来年の包括的資本分析レビュー(CCAR)と呼ばれる、銀行の経営の安全度を測るストレステスト(健全性審査)で有利になる」と評価している。

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インテル、モルガンスタンレーによる投資判断引き下げで株価急落

米証券大手モルガンスタンレー<MS>は15日、米半導体最大手インテル<INTC>の投資判断を従来の「イコール・ウェイト(ベンチマークと同じ組入比率)」から「アンダーウェイト(ベンチマークより少ない組入比率)」に引き下げた。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが伝えた。

モルガンスタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏は、インテルの投資判断を引き下げた理由について、供給量が需要を上回ったことから下期には過剰在庫となることや、平均単価の低下が続いていることから粗利益率も圧迫されリスクが高いことを挙げている。また、ムーア氏はインテルの予想適正株価を30ドルに設定している。

これを受けて、同社の株価は15日午前11時40分時点で4.11%安の30.82ドルと急落している。

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日本ペイント、ベトナム・ビンフック省で第3工場の操業を開始

日本ペイントは14日、ベトナムのビンフック省北部で建設中だった第3工場がこのほど完成し、操業を開始した。地元オンラインニュースメディアのベトナム・インベストメント・レビューが伝えた。

新工場では自動車やオートバイ、建物などの用途に使われる工業用塗料が生産され、今後5年間で1400万ドル(約15億円)を投資する計画。年間生産能力は1万5000トン。また、新工場の稼働で新規に500人の従業員を雇用する計画。同社ではハノイやビンフック省では自動車やオートバイの生産が急増しており、同社の塗料需要も増加する見通しだとしている。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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