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主な新興国/米国経済ニュース(28日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ヒューレット・パッカード、電源コード600万本を発火の恐れでリコール

米コンピューター大手ヒューレット・パッカード<HPQ>は26日、2010年9月から2012年6月にかけて全世界で販売された600万本のAC電源コードに不具合が見つかったとして、リコール(無償回収・修理)する方針を明らかにした。

問題の電源コードはヒューレット・パッカードとコンパックのノートPCやミニノートPC、ACアダプターなどに付属していたもので、使用中にオーバーヒートして発火、または、やけどの恐れがあると警告している。これまでに29件の苦情が報告され、うち、2件で発火事故、13件で物損被害の報告が寄せられている。

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グーグル、クラウドベースの特殊効果企業ジンクを買収

米インターネット検索大手グーグル<GOOGL>は、クラウドベースの映画向け特殊効果サービスを提供しているベンチャー企業のジンク(Zync)を買収した。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが26日に伝えた。

ジンクはクラウド・コンピューティング技術を利用した映像のレンダリングを手掛けており、これまでにハリウッド映画の「スター・トレック・イントゥ・ダークネス」や「ズーキーパー」などの作品で特殊効果を担当している。グーグルによるジンク買収は、クラウド・コンピューティングベースのサービス強化を狙ったものと見られている。グーグルの株価は26日、0.41%安の588.12ドルで引けている。

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アマゾン、ビデオゲームのストリーミング配信トゥイッチを1千億円超で買収

米オンライン小売り大手アマゾン<AMZN>は25日、ビデオゲーム向けストリーミング動画配信大手トゥイッチを9億7000万ドル(約1010億円)超で買収することで合意したことを明らかにした。米経済専門オンラインメディア、CNNマネーなどが伝えた。

トゥイッチは2011年6月に設立されたベンチャー企業で、インターネットを使ったビデオゲームのストリーミング配信で最も人気を集めており、毎月、数百万人が同社を利用している。これまでにスライブ・キャピタルやビデオゲーム制作のテイク・ツー・インタラクティブ・ソフトウエアなど外部の投資家から2000万ドル(約20億8000万円)の資金を調達してきている。

アマゾンによるトゥイッチ買収が今年下期(7‐12月)に完了する見通し。

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フィッチ、ウクライナの自国通貨建て債務格付けをデフォルト寸前に格下げ

米英大手信用格付け会社フィッチ・レーティングスは先週末、ロシアとの軍事衝突の危機に直面している旧ソ連のウクライナの自国通貨建て債務の長期発行体デフォルト格付け(IDR)を従来の「B-」からデフォルト(債務不履行)の一歩手前の「CCC」へ引き下げた。外貨建て債務の長期IDRはすでに「CCC」となっており、今回は据え置かれている。

フィッチでは格下げの理由について、自国通貨フリブナが過去最低の水準にまで下落し、ウクライナ東部での政府軍とロシアの支援を受けている反政府武装グループとの武力衝突の長期化で、ウクライナ経済が破たん寸前の状況にあることを挙げている。

フリブナは年初来で、ドルに対し39%も下落しており、先週末も1ドル=13.7フリブナと、過去最低を記録している。フリブナは8月だけで9.4%下落した。また、フィッチはウクライナの今年のGDP(国内総生産)伸び率は6.5%減にまで落ち込み、2015-2016年もゼロ成長が予想されるとしている。

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ロシア大統領、ウクライナはEU加盟で23兆円の経済損失と警告

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は26日、ロシアとの軍事衝突の危機に直面している旧ソ連のウクライナがEU(欧州連合)に加盟した場合、ウクライナとの自由貿易協定を破棄しウクライナからの輸入品への高関税が避けられない、と警告し、その上で、ウクライナは今後10年間、1650億ユーロ(約22.6兆円)の経済損失を被る可能性があるとの見解を示した。ロシアのニュースチャンネルRT(電子版)が伝えた。

これはウクライナの首都ミンスクで開かれたロシアとカザフスタン、ベラルーシの旧ソ連の3カ国で構成する関税同盟の首脳会談の合間に、プーチン大統領がウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領と個別会談した際、ウクライナ側に警告したもの。

プーチン大統領は、ウクライナからの輸入品に対する非課税措置が撤廃されれば、ウクライナから輸入している国際相場商品の98%に最大8%の輸入関税がかかることになるとしている。プーチン大統領は、ウクライナがEUに加盟すれば、ウクライナ市場には欧州からの輸入品が氾濫し、ウクライナの国産品は欧州との市場競争に敗れるのは必至だとし、そうした状況下でウクライナとの貿易を自由化しておけば、関税同盟国の国産品も欧州の輸入品の脅威に晒される恐れがあとしている。

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ガルーダ・インドネシア航空、2016年メドにバイオ・ジェット燃料導入へ

インドネシア航空大手ガルーダ・インドネシア航空は、二酸化炭素排出量を削減するため、2016年をメドに、ジェット燃料(航空タービン燃料)にバイオ燃料を混合したバイオ・ジェット燃料の導入を目指す考えを明らかにした。ジャカルタ・ポスト(電子版)が27日に伝えた。

これは同航空のノヴィアント・ヘルプラトモ上級副社長(オペレーション担当)が明らかにしたもの。バイオ燃料としては食用油でバイオディーゼル燃料としても使われるパーム油を利用する計画で、現在、国営石油大手プルタミナが実用化に向けて研究を進めている。同副社長は、記者団に対し、「我々はバイオ燃料が大量生産され、ジェット燃料並みの価格に抑えられるか、それを下回るようになることを望んでいる」と述べている。

ガルーダ航空の年間のジェット燃料の使用量は18億リットルだが、2016年には20億リットルに達すると見られている。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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