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主な新興国/米国経済ニュース(10月18日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ロシア経済発展省幹部、7-9月期GDP伸び率ゼロ%-通年1.6%増か

ロシア経済発展貿易省のアンドレイ・クレパチ次官は16日、同国の7-9月期GDP(国内総生産)伸び率がほぼセロ%となり、依然として景気の低迷が続いていることを明らかにした。ロシアのプライム通信(電子版)が伝えた。

この結果を受けて、同次官は今年のGDP伸び率が1.5-1.6%増になるとし、これは政府予測の1.8%増を下回るとしている。同次官は、「景気回復が見られるのは今年末で、主として投資需要が改善する」との見通しを示している。

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ロシア天然ガス大手ガスプロム、今月末からサハリン沖ガス田の商業生産開始へ

ロシア国営の天然ガス生産・供給大手ガスプロムのバディム・ペトレンコ大陸棚鉱区開発部長は16日に開かれた天然ガス業界の会合で、極東・サハリン沖の石油・天然ガス開発計画「サハリン3」地区にあるキリンスコエ・ガス田の商業生産を10月末から開始することを明らかにした。ロシアのプライム通信(電子版)が伝えた。

同ガス田の資源埋蔵量は天然ガスが推定1370億立方メートル、ガス・コンデンセート(超軽質原油)は1590万トンと見られている。

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インドネシア清涼飲料大手インドフードCBP、容器入り飲料水市場に参入へ

インドネシア清涼飲料大手インドフードCBPスクセス・マクムル(ICBP)は16日、傘下のインドフードアサヒ(IASB)とアサヒインドフード(AIMB)の2社がマルチ・バハギアと合弁会社を設立し、容器入り飲料水(ミネラルウォーター)の製造・販売で合意したことを明らかにした。ジャカルタ・ポスト(電子版)が17日に伝えた。

合弁会社の設立によって、ICBPは、ノンアルコール市場の30%以上を占める容器入り飲料水市場分野への新規参入を果たす。IASBとAIMBは、ICBPとアサヒグループホールディングス<2502.T>の合弁会社。

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ADB、ベトナムの社会インフラ整備に615億円を融資

ADB(アジア開発銀行)は16日、ベトナム中央銀行との間で、ベトナムのメコンデルタ地方とセントラルハイランド地方の道路など社会インフラの整備資金として6億2400万ドル(約615億円)を融資する契約書に調印した。ベトナム通信(電子版)が17日に伝えた。

6億2400万ドルのうち、大半の5億4400万ドル(約535億円)はメコンデルタ地方の道路交通網の整備に充当され、残りの8000万ドル(約80億円)はセントラルハイランド地方のラムドン省などの地方インフラ整備に使われる。中銀のグエン・バン・ビン総裁は、これらのインフラ整備は政府の国家社会経済開発計画に盛り込まれている社会資本整備目標の達成に寄与するとしている。

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米ネット競売イーベイ、7-9月期利益、予想上回る―今期は予想下回る

米ネット競売大手イーベイ<EBAY>が16日に発表した2013年7-9月期決算は、売り上げが大幅増となったことから、純利益は前年比15%増の6億8900万ドル(約680億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同16%増の53セントとなった。また、調整後1株当たり利益は同17%増の64セントとなり、アナリスト予想の63セントを上回った。

一方、売上高は前年比14%増の39億ドル(約3820億円)となり、アナリスト予想と一致した。今期(10-12月)の業績見通しについては、調整後1株当たり利益は79-81セントと予想しているが、アナリスト予想の83セントを下回った。また、売上高も45億-46億ドル(約4400億-4500億円)と予想しているものの、アナリスト予想の46億4000万ドル(約4550億円)を下回っている。

同社の株価は、10-12月期業績見通しがアナリスト予想を下回ったことから、16日は0.8%安の53.52ドルとなったあとも値を下げ、17日午前10時42分(米東部時間)時点では、4.15%安の51.3ドルに急落している。

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米IBM、7-9月期売上高は予想を大幅に下回る―株価急落

米IT・コンピュターサービス最大手IBM<IBM>が16日に発表した2013年7-9月期決算は、純利益が前年比6%増の40億4000万円(約4000億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同11%増の3.68ドルとなった。また、調整後1株当たり利益は同10%増の3.99ドルとなり、アナリスト予想の3.96ドルをやや上回った。

しかし、売上高は前年比4%減の237億ドル(約2.3兆円)となり、アナリスト予想の247億9000万ドル(2.4兆円)を大幅に下回った。IBMの四半期売上高は過去8四半期中、7四半期も市場予想を下回っている。通期業績見通しについては、調整後1株当たり利益は従来予想通り16.9ドルに据え置いたものの、アナリスト予想の16.87ドルをやや上回った。

7-9月期利益が市場予想をかろうじて上回ったものの、売上高が市場予想を11億ドル(約1100億円)も下回ったことや、いくつかの証券会社がIBMの目標株価を引き下げたことから、同社の株価は17日、一時8%安の172.57ドルと、2年ぶり安値を付けた。午前11時7分(米東部時間)時点で5.79%安の175.92ドルとなっている。

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ブラジル中銀、11月会合で少なくとも0.5%再利上げを示唆―議事録

ブラジル中銀は16日、先週8-9日に開かれた金融政策委員会の議事録を公表した。それによると、中銀は今年のインフレ見通しについて、「標準シナリオでは、前回8月会合時の予測値よりも引き下げられたものの、物価目標(2.5-6.5%)の中央値(4.5%上昇)を上回る」としている。ただ、議事録では2013年のインフレ率については具体的な数値は示していない。

また、2014年のインフレ見通しについても同様に、前回8月会合時の予測値を下回るものの、物価目標の中央値である4.5%上昇を上回るとし、2015年7-9月期まで4.5%上昇を上回る状況が続くとしている。

その上で、政策金利の見通しについても前回8月予想時の8.5%から9%に引上げ、「金融政策委員会では、消費者物価は高水準にあり、インフレ圧力は依然強い。これらのことを考慮すると、引き続き金融政策の調整を継続することが適切と考える」と述べている。これについて、ブラジル経済紙バロール・エコノミコ(電子版)は、次回11月26-27日の金融政策決定会合で、0.5%ポイントの再利上げの可能性があると、伝えている。さらに、地元紙フォリャ・ジ・サンパウロ(電子版)でも野村証券が2014年には政策金利は10.25%に、地場のグラジュアル証券は11%になると予想している、と伝えている。 (了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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