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春一番のあとは必ず気温低下 18日は関東で雪が舞う可能性も

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
17日午前発表の予想気温。

16日(木)~17日(金)は、九州・四国・関東・北陸で春一番が吹きました。東京でも20℃を超えるなど気温が上昇したところもありましたが、このあとは寒さが戻ってきます。

春一番が吹いたら寒さに備えを

春一番は、春に向かうにあたっての一番はじめの強い南風です。

まだまだ冬の空気が支配的な今の時期。巨体の冷たい空気に向かって、新参者の小さな春が南から戦いを挑むような構図です。

暖かくなって、春の空気が勝ったように見えても、それは一時的。冬の空気にあっという間に、やり返されてしまいます。

現に、ここ数年の春一番後の東京の気温変化を見ても、必ず気温は低下。昨年は春一番で気温が23℃まで上がったものの、翌朝は3℃に。さらにその翌朝は1℃まで下がりました。

土曜夜から一段と冷たい空気 関東で雪が舞う可能性も

17日(金)夕方の風の予測。日本海側から順に、北風に変わりつつある。
17日(金)夕方の風の予測。日本海側から順に、北風に変わりつつある。

今年も、春一番のスタミナ切れを待つように、北には冬の冷たい空気がスタンバイ。すでに日本海側から流れ込んできています。

今夜(17日)には、関東でも北風に変わって気温が低下。土曜(18日)朝には、東京で4℃まで下がる予想となっています。

さらに、今回は冬の空気が二段階でやってきます。一段と冷たい空気が来るのは土曜の夜。このタイミングで、関東では風の収束によって雲が発生する見通しで、雲が分厚くなれば、一時的に雪が舞うところも出てきそうです。

春一番は寒暖差が激しくなることを告げる風

春一番のあとは冬が戻るにしても、そのまま寒さは続きません。

気象庁から発表はないものの、春二番的な風、春三番的な風と、南風が冬にたびたび戦いを挑み、少しずつ冬を北へ押し込んでいきます。

関東だと、このさき2月中は、1日~2日おきに気温が上がったり下がったりと、かなり寒暖差が大きくなります。冬と春の攻守が激しく入れ替わる時期に入ります。

2月末に強めの寒気が来そうですが、それが抜ければ、寒気は弾切れ。3月に入るとググッと気温が上昇して、いつもの年より暖かい日が多くなりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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