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台風が1週間で3個発生 今年も台風シーズンに

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
気象衛星による30日午後6時の雲の様子。フィリピン付近の雲のまとまりが台風4号。

30日夕方、台風4号が発生しました。ここ1週間で2号・3号・4号と続けての発生で、ペースが上がっています。8月上旬にかけて、さらに台風が発生する可能性もあり、今年も台風シーズンに入ったようです。

台風が発生しやすい大気の流れに

日本のだいぶ南の熱帯域で、積乱雲の発生が活発になってきました。

台風を構成する積乱雲は、風が地上に近い所で集まり、上空で風が逃げていくような場所で、発生しやすくなります。

こういった積乱雲の発生しやすい環境は、数十日ほどの周期で変化があり、今は雲が湧きやすい時期になってきたようです。

アジア~太平洋域の大気の流れを見ると、8月に入ってもしばらくは、台風の発生地帯で、雲の生まれやすい状況が続きそうです。

台風が遠ざかって大雨が降ることも

台風4号の進路予測(30日午後6時)
台風4号の進路予測(30日午後6時)

台風4号は今後、フィリピン付近を通り、大陸方面へと進む見通しです。

台風は大陸で弱り、雨雲の形も崩れそうですが、崩れた雨雲が広がって、九州など西日本に来週かかってくる可能性もあります。

7月上旬の台風1号の際も、台風自体は大陸で衰えましたが、台風崩れの雨雲や水蒸気が、九州など西日本に大雨を降らせています。

今年の夏の高気圧は、まだ盤石ではありません。

すきを突いた形で、台風の残骸の雨雲が、激しい雨を降らせることも考えておく必要があります。

次の台風も?

ヨーロッパ中期予報センターの予測。来週後半、台風らしき低気圧が日本の南東に。
ヨーロッパ中期予報センターの予測。来週後半、台風らしき低気圧が日本の南東に。

台風の役割は、熱帯の熱を北へ運ぶことです。

今年は、これまで発生が少なく、たとえるなら南で熱が余っている状態です。その熱を原材料に、この先しばらく台風が続けて発生してもおかしくありません。

各国の気象機関のデータでは、来週、日本の南海上で台風らしき低気圧が発生するという予測が、いくつか見られます。

梅雨が明けて、今度は台風シーズンです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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