環境NGOの一言から発展~千葉商科大が自然エネ100%目標を発表

原科幸彦学長(中央)らが100%目標年を発表(11月13日筆者撮影)

 千葉商科大学(原科幸彦学長)が日本初の自然エネルギー100%大学となるという目標を発表した。

 野田市にあった同大学の野球場跡に作ったメガソーラー発電所の発電量と市川キャンパスの消費電力を2018年度までに同量にする。また、省エネなどを進め、2020年度までにはガスなどによる熱供給も含めた総エネルギーと同量にする目標だ。

「達成イメージ」原科学長発表スライド資料より(11月13日筆者撮影)
「達成イメージ」原科学長発表スライド資料より(11月13日筆者撮影)

「きっかけは、2014年7月に環境NGO『エコ・リーグ』から『千葉商科大のメガソーラーは、大学単体では日本一大きいと教えてもらったことでした』と語ったのは、同大学政策情報学部の鮎川ゆりか教授だ。

 ゼミの学生と発電所を見に行き、2014年度の発電量がキャンパスで使う電力の77%に相当すると知り、補助金を使って可能性調査を開始した。省エネなどで残り23%をどうカバーできるかだ。サステナジー株式会社や株式会社テクノプランニングなど学外の専門家と共に「専門家委員会」を設置し、学生参加で行った。

 鮎川ゆりか教授(左)とゼミ生の工藤康樹さんと八巻泰治さん(11月13日筆者撮影)
鮎川ゆりか教授(左)とゼミ生の工藤康樹さんと八巻泰治さん(11月13日筆者撮影)

 鮎川ゼミの学生らで、電球の数を数え、LED化したらどのくらい電気消費量を減らせるか、誰もいない教室の電気付けっぱなしや冷房期のドアの開けっ放しなど「無駄調査」を行ったり、フォーカスグループで議論し、節電週間を導入して省エネ意識を高める試みを行ったりした。

「赤外線画像でムダを見える化した」と工藤さん(11月13日筆者撮影)
「赤外線画像でムダを見える化した」と工藤さん(11月13日筆者撮影)

 その結果、2015年度に専門家委員会が「100%自然エネルギーが実現できる」と結論。2016年5月に地域金融機関の融資、行政機関からの補助金に加え、個人からの出資も募り、CUCエネルギー株式会社を設立した。2017年に「学長プロジェクト」として「5学部の教授陣、大学事務局、理事会も一体となって取り組むことにした」と原科幸彦学長は語った。

実務を担うCUCエネルギーの山口勝洋社長(11月13日筆者撮影)
実務を担うCUCエネルギーの山口勝洋社長(11月13日筆者撮影)

 東京ベイ信用金庫の市川裕彦地域サポート部長は「LED購入費の融資について相談を受け、熱意に押された。地域社会に貢献度が高い。こうしたことを学んだ学生さんにぜひ将来、銀行に入っていただきたい(笑)」とアピールした。

東京ベイ信用金庫の市川裕彦地域サポート部長(11月13日筆者撮影)
東京ベイ信用金庫の市川裕彦地域サポート部長(11月13日筆者撮影)

 「2017年度の実績をもとに、2018年度は省エネ活動をフル回転させる『省エネ元年』に、2019年度はその実績からさらに省エネをする『省エネ本気(ガチ)年』にします」と鮎川教授は笑顔になり、原科学長は、2020年度にはCUCエネルギーが地域の小売り電気事業者になり、大学や地域への電力供給ができるようにしたいと目標を語った。