総選挙前の報道機関の役割は? 希望の党にホームページがないと気づき考えた

小池都知事が追悼文を送らなかった関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式(9月1日筆者撮影)

 改憲と安保法制賛成が公認の要件の少なくとも一部であるらしい「希望の党」の規約案が10月1日に、明らかになったという時事通信の報道を見て、それが公開され次第、入手しようと、希望の党のホームページを探したが「ない」と気づいた。

希望の党にはホームページがない(10月2日時点)

 それならばと、創設メンバーの若狭勝・前議員の地元事務所に電話をしたが留守電になる。党規約を入手したいとメッセージを残したが、折り返しはないだろう。

 都民ファーストの会(都ファ)なら何か分かるかとホームページを見ると、電話番号がなく、メルアドならある。

 仕方がない。東京都庁の代表電話から都議会の都ファの議員控え室につないでもらうと、受付担当が、確かに希望の党にはまだホームページがないと言う。連絡先も知らない、「メルアドなら」というが、教えてくれたのは都ファのものだ。

 何か連絡手段はないかと尋ねると、受付担当は、小池百合子か若狭勝など結党メンバーの事務所に連絡してはどうかという。

小池百合子公式ホームページ(10月2日時点)

 ならばと「小池百合子 公式サイト」を見つけたが、載っている03番号をかけても、「電源が入っていないか」とつながらない。

 掲載リンクのうち、フェースブックの希望の党についての最新(2017年10月2日時点)の書き込みは「いよいよ希望の党のスタートです。動画もご覧ください」とあるが、その動画はすでに再生できない(非公式動画は多く上がっている)。

 ユーチューブニコニコ動画へのリンクもあるが、どちらも掲載動画は2008年の自民党総裁選挙時のものだ。

都民ファーストホームページ(10月2日時点)

 手がかりを探して、もう一度、都ファのホームページに戻ると、トップが特別顧問の肩書きによる小池百合子都知事の挨拶。「最新動画」には、都知事1人が議会選挙への投票を呼びかける2分20秒の動画。「政策・綱領」も選挙時のパンフレット程度。

 「ニュース」は、「希望の塾」受講者募集と「昨今の政治情勢」による開講日の変更。その開講延期の理由である「昨今の政治情勢」とは、国政選挙のことだろう。

 所属議員の紹介は統一フォーマットでリンクされているが、リンク切れや更新遅れが目立つ。今後は都議任せで、都ファのホームページは選挙仕様で、賞味期限は当選までだったということか。

 小池都知事は、都ファの挨拶で「セーフシティ」「スマートシティ」「ダイバーシティ」の実現を謳い、動画では「議会改革」「情報公開」「受動喫煙防止」を強調した。

 しかし、「議会改革」と言っても、所属する都議会議員に取材を受けさせない、「情報公開」と言っても、築地・豊洲市場の決定過程については、「AI」「つまり政策決定者である私が決めた」(8月19日文春オンライン)と言い、「ダイバーシティ」(多様性)と言っても、関東大震災時に虐殺された朝鮮人犠牲者への追悼文を見送った(9月1日聯合ニュース)。

 また、都ファの377の政策をはじめ「ワイズスペンディング」と掲げられたが、それらは未検証のままだ。

気づかされる有権者の意識を掘り起こす役割

 ここで改めて気づかされるのは、総選挙を前にマスメディアが最も有権者に提供すべき情報は、目新しい新党の動向ではないということだ。

 仮に、安倍首相が会見で述べた「消費税の使い道」と「緊迫する北朝鮮情勢」が解散の理由なら、少なくとも、そのテーマでの検証が必要だ。

 また、それを鵜呑みにすることなく、解散前に問われて来た問題を問う必要がある。

 賞味期限のある情報を見極め、最低でも、現政権が何をやってきたかを検証し、また何をやらなかったのか、山積課題に光を当てて、有権者の意識を掘り起こす。それが今、果たすべきメディアの役割ではないか。

関係配信

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 この記事を配信した翌日(10月3日)に、希望の党はホームページを開設した。(10月4日加筆)