議員立法を促す市民による「選挙・政治制度改革に関する中間答申」発表

中間答申を発表する「選挙市民審議会」共同代表ら(2017年1月24日筆者撮影)

「公正・平等な選挙改革にとりくむプロジェクト」(事務局長:城倉啓氏)の呼びかけで結成された「選挙市民審議会」(共同代表:片木淳、只野雅人、三木由希子)が、公職選挙法改正について中間答申をまとめ、1月24日に発表を行った。中間答申をもとに与野党議員に議員立法を働きかけると言う。

選挙市民審議会」は、「現在の選挙制度では、主権者の多数意見が国会の中で多数意見とならない」、「膨大な死票が生まれるなど民意が反映されていない」という問題意識で、「国会議員にお任せするのではなく、市民のイニシアチブによる選挙制度改革を進めたい」として、2015年11月に発足。3部門に分かれ、月1回ほどのペースで議論し、「選挙・政治制度改革に関する中間答申」(2017年1月24日)をまとめた。3部門による答申項目は次の通りだ。

1.自由な選挙運動のあり方

・戸別訪問の自由化

・電子メールによる選挙運動の自由化

・ローカル・マニフェスト頒布の自由化

・公開討論会の自由化と公営立会演説会の復活

・18歳未満者の選挙運動の自由化

これらの点について、片木淳(早稲田大学教員)は、「今の公職選挙法は『これやるな、あれやるな』で萎縮してしまう。規制を撤廃して賑やかで楽しい選挙ができるように」とその狙いを述べた。

「選挙市民審議会」メンバー(2017年1月24日筆者撮影)
「選挙市民審議会」メンバー(2017年1月24日筆者撮影)

2 政治参加のハードルを下げる

・供託金の廃止

・選挙運動期間の廃止――その方向性

これらの点について、只野雅人(一橋大学教員)は、「民意が反映されているという実感がない。18歳選挙が始まり政治参加を勧めるには、選択肢を広げる必要がある」と述べた。選択肢を広げる上で、ハードルの一つは落選をすると没収される供託金で、アメリカ、ドイツ、イタリアにはそのような制度はなく、イギリスは8万円、カナダは10万円、フランスは2万円だが、日本は300万から600万円を必要とするとデータを示し、「世界一高い供託金は廃止すべきだ」と提案した。

3 身近な選挙を政策で選ぶ選挙に

・市区町村選挙に制限連記制導入

・都道府県議会・政令市議会選挙を比例代表制に

これらの点について、三木由希子(情報公開クリアリングハウス理事長)は、「国政より身近な議員を選ぶ選挙をどうするかという意図で議論した」、「男性が多く、高齢者が多いが、多様な人材が選ばれるようにするにはどうすればいいか」、「政策本位で頑張れと言っても始まらない」、「議会が何をしているか理解されず、議会不要論まである」として、立候補者から一人を選んで投票する単記制を、連記制(議員定数20名までは2名、同30名までは3名、同40名までは4名、同41名以上は5名までなど)とし、投票意識を高め、投票率を押し上げたり、無所属候補者たちの政策ごとのグループ化および議員の多様化を促したいと提案している。

中間答申は「公正・平等な選挙改革にとりくむプロジェクト」のアーカイブからダウンロードが可能だ。

「選挙市民審議会」メンバー(2017年1月24日筆者撮影)
「選挙市民審議会」メンバー(2017年1月24日筆者撮影)