「イスラエルと武器の共同開発をしないで」と市民団体が東京証券取引所前でアピール

東京証券取引所前で武器の研究開発反対をアピールする市民団体(8月5日筆者撮影)

安倍内閣は、2015年10月に防衛装備庁を発足させて以来、日本企業に他国との武器の共同開発に挑ませようとしている。その任務を担っているのは、防衛装備庁に新設された「プロジェクト管理部」である。防衛装備庁の発足前は、武器開発から調達、廃棄までを、防衛省の異なる部署がバラバラに行っていた。それらの業務をまとめて行うために新設されたのがプロジェクト管理部である(「防衛装備移転三原則」のホントの目玉」(週刊金曜日2016年1月8日で既報)。

同部署が最初に目指したのはオーストラリア政府との潜水艦の共同開発計画だが、その受注競争でフランスに敗れたのは今年の4月である。

今回「武器輸出反対ネットワーク」らが問題にしたのは、共同通信が7月にすっぱ抜いた(6月30日配信した)イスラエルとの無人偵察機の共同研究だ。中谷元・前防衛大臣は記者会見で否定したものの、そこでは、イスラエルと日本の双方のメーカー名が取り沙汰されていた。歯止めをかけるべく、8月5日、炎天下のランチタイムに、東京証券取引所(茅場町)の玄関前でアピールを行った。

東京証券取引所(8月5日筆者撮影)
東京証券取引所(8月5日筆者撮影)

「武器輸出反対ネットワーク」代表の杉原浩司さんは、共同開発を呼びかけられているとされる日本企業3社を挙げ、「この3社にイスラエルとの無人偵察機の共同研究に加わらないように株主として意思表示をして欲しいという意味を込めて、株取引の象徴的な場所である東京証券取引所の前で、声を上げに来ました」と通行人に呼びかけた。

アピールに駆け付けた「安保関連法に反対するママの会」の西郷南海子さん(冒頭写真の左端)は、「日本の大きな企業が実はもういろんな研究開発にかかわり始めていることに、私たちはショックを受けています」と語り始めた。

「この間、新聞には、シリアはロシアの兵器開発の実験場になっているという見出しが載っていました。実験で子どもが死んでもいいのか、実験台として人が殺されてもいいのか、そんなはずがない、というのは70年前の私達が知ったことです。広島、長崎に落とされた原子爆弾、あれも実験だったというふうに言われています。いくら技術が進歩すると言っても、人の命が失われたら、その命は絶対に戻ってきません。私たちの税金が回り回って誰かの生活を破壊する、誰かの命を奪う、そういうことには使って欲しくない」と訴えた。

ジャーナリストの志葉玲さんは「無人機による攻撃は人々にとって日々脅威だ」と、戦場取材の経験を元に「世界から兵器を無くしていくのが日本の役割だ」と訴えた。

訴えかける志葉玲さん(左端)と杉原浩司さん(左から2番目)(筆者撮影)
訴えかける志葉玲さん(左端)と杉原浩司さん(左から2番目)(筆者撮影)

アベノミクスとは軍需産業で経済を立て直す策なのか、と問わざるを得ない事態である。

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