IAEAが原子力規制委に安全基準満たしていないと13の勧告~緊急時計画区域内の公衆への情報提供も

4月22日夜に原子力規制委が受け取り、25日に翻訳版が公表されたIAEA評価書

国際原子力機関(IAEA)が1月に行った原子力規制委員会に対する「総合規制評価」が公表された。

その評価書には、IAEAが推奨する安全基準(安全原則、安全要件、安全ガイド)を満たしていないとされた「勧告」が13項目、改善の余地があるという「提言」が13項目、計26項目ある。

中には、「放射線緊急事態において、原子力規制委員会の対応の役割を扱う緊急事態対応の内部取決めがない」「原子力施設周辺の緊急時計画区域内の公衆に対する情報の提供に許認可取得者が準備段階で参加していることを検証する手続き」を「策定すべきである」などの重要な指摘がある。

記者への事前説明に使われた資料
記者への事前説明に使われた資料

ところが、原子力規制庁は、4月25日に行った記者への事前説明でも、原子力規制委員会での説明でも、規制当局として受けた重大な勧告と提言の詳細説明を省いて行った。その代わりに、原発にいつでもアクセスできる権利を確保するなど規制庁としての対応を強調、多くのマスコミもその点を強調して報道を行った。

原子力規制庁は、この勧告や提言をもとに、2017年2月頃に原子炉規制法などの改正案を提出、3年程度の準備期間の後に、2020年の全面施行を目指すとし、原子力規制委員会が4月25日に臨時に開催した委員会で、これを了承した。

IAEAがミッション(使節団)を派遣して行った「総合規制評価」(IRRS)は、日本政府の要請に基づいて行われたが(原子力規制委員会では「受け入れた」と説明してきた)、原子力規制委員会からの要請で、原子力関連施設外の緊急対応などは評価の対象からはずして行われたはずだった。

それでもなお、IAEAが、「原子力施設周辺の緊急時計画区域内」という表現を用いて、「公衆に対する情報の提供に許認可取得者が準備段階で参加していることを検証する手続き」と勧告を行ったことは、その重大性を物語っている。

この評価書については続報する。

第5回原子力規制委員会 臨時会議

資料1 日本への総合規制評価サービス(IRRS)ミッション報告書について

原子力規制委員会 議事録