激辛カレーいじめを、「トカゲの尻尾切り」で終わらせてはいけない

(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

「型どおり」としか言い様がない。神戸市立東須磨小学校で教員4人が若手教員に激辛カレーを食べることを無理強いする「いじめ」が発覚したことで15日、文部科学省(文科省)の亀岡偉民副大臣が神戸市教育委員会を訪れて長田淳教育長と面談した。

 そこで亀岡副大臣は、「いじめをなくす指導すべき教師がこのような事態を起こし信じがたい」と述べたという。自分たちには責任はないという姿勢が、「信じがたい」という言葉に凝縮されているように聞こえる。

 亀岡副大臣は長田教育長と非公開の協議を行ったそうだが、そこでも、「関係者の聴取が不十分なことなど市教委の対応の遅さを批判」(『共同通信』)したそうだ。

 これに対して長田教育長は、「教育行政に対する信頼を著しく失墜させたことを深くおわび申し上げます」と謝罪し、「第三者委員会を設置して事実関係を調査したうえで、関係した職員を厳正に処分する方針を説明」(NHK兵庫NEWS WEB)したという。長田教育長は平謝りに謝り、「関係者の厳正処分」を約束したわけだ。関係者を処分することが謝罪だとしたわけで、まさに「型どおり」の対応でしかない。

 関係者、つまり当事者の教員や校長を処分することで「一件落着」にしたい文科省と神戸市教委の思惑が、ありありと表れている。処分することで、ほんとうに問題は解決するのか。

 解決するはずがない。問題の根幹は、教員間のいじめを生むような教育環境にある。そこを無視して、「トカゲの尻尾切り」で終わらせようという文科省と神戸市教委の姿勢には問題があるというしかない。

 しかも亀岡副大臣は、「文部科学省としても教員免許の制度も含めて、教員の資質向上がしっかりできるような環境作りに取り組んでいきたい」とも述べたという(NHK兵庫NEWS WEB)。

 文科省というか自民党は「教員の資質」を問題にしはじめており、それは働き方改革のあり方などについて政府方針に疑問を投じる動きに対する露骨な警戒感と受け取れる。

 東須磨小でのいじめ問題を、国や文科省の責任としてとらえないで、「教員の質が悪い」といっているようなもので、これこそ「トカゲの尻尾切り」でしかない。

 教員間のいじめ問題を解消するためには、国や文科省、自民党が従来の教育政策を考えなおし、ほんとうに子どものための教育環境にふさわしい学校、そのために教員が働く環境を整えることを考えることこそが必要である。それを無視し、「トカゲの尻尾切り」で済まそうとしても、何もはじまらない。事態は悪化するだけでしかないだろう。

 文科省大臣も文科省副大臣にも、当事者意識をもつことが求められている。