部活を「商売」とららえる自民党提案

(写真:アフロ)

 自民党のスポーツ立国調査会が「地域に総合型のスポーツクラブを設け複数の学校の生徒による活動を推進すべきだ」とする提言案の骨子をまとめた、と2月20日のNHKニュースが伝えた。

 理由として提言案骨子は、少子化で部活の部員確保が困難になっていることと、「教員が多忙になり顧問のなり手が不足している」ことをあげている。教員の長時間労働が問題になるなかで、部活への風当たりは強くなりつつある。

 今年2月9日付の「通知」で文科省も、部活動について「外部人材の積極的な参画を進めること」として、部活は学校が担うべき活動ではないとする姿勢を鮮明にしている。学校に部活はいらない、というわけだ。学校と部活動を切り離す動きが加速している。提言骨子は、その動きの延長であり、さらに拍車をかける存在になる可能性がたかい。

 しかし自民党スポーツ立国調査会の提言骨子には、「商売」の影がちらほらと見え隠れしているのが気になる。

 部活を学校から追い出して「地域の総合型スポーツクラブ」に集約するのが提言骨子の主旨らしいが、その総合型スポーツクラブを誰が運営するのだろうか?教員数確保のための予算さえままならない国や地方自治体が、クラブ施設や運営の費用を負担するとは、とても考えられない。

 可能性として高いのは、民間への委託である。放課後の子どもたちを預かる学童保育は、もともとは自治体が運営していたが、人件費削減のために民間への委託が急激に増えてきている。これと同じように、民間に委託して運営されることになるのだろう。自治体や国は負担を軽くできる一方で、民間にとってはビジネスチャンスになる。

 自民党スポーツ立国調査会は2016年4月5日に、スポーツ産業育成で2025年までに市場規模を2~3倍に拡大するという提言をまとめている。スポーツを商売として発展させるのが、スポーツ立国調査会の方針なのだ。部活動を「商売」につなげようとする提言骨子も、まさに同調査会らしいともいえる。

 人間形成にとっても重要な意味のある部活を、スポーツ産業育成優先の観点だけでとらえるのは問題がある。部活の本来的な意味・意義を、この機会にとことん議論し、そのうえで部活のあり方を考えていく姿勢こそが必要なのではないだろうか。