~工場編(4)
受刑66/384日目
差し入れ本はダブルチェック
図書計算工場への配役から10日となり、少しずつ作業にも慣れ、差し入れ本の検査も担当するようになった。
作業の内容は携入本とおおむね同じだが、差し入れ本の場合は家族や友人、知人ら外部から持ち込まれたものだけに特に神経を使う。
凶器となる危険物や、薬物、タバコなどが隠匿されていたり、手紙だと検閲にひっかかるような極秘のメッセージ文が記されている可能性があるからだ。
そこで、官本や携入本だと1人の図書工が1冊の本を全て1人でチェックするのに対し、差し入れ本の場合は検査工程を二段階に分け、それぞれ別の図書工が担当することで、ダブルチェックするシステムとなっていた。
背表紙には要注意
具体的な流れだが、差し入れ本は、平日の日中に差し入れ担当の窓口や検閲を行う教育部門を経て図書計算工場に大量に回ってくる。土日祝日にも郵送や宅配便で届くから、連休あけだと数百冊に上る。