ノート(139) 弁護人による被告人質問の内容とその狙い(上)

(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

~裁判編(12)

勾留177日目

【裁判も山場へ】

 この日は丸1日かけて第2回公判が行われることとなっていたため、朝食後、初公判のときと同じく出廷準備室での徹底した身体検査を経て、拘置所を出発し、個別便で裁判所に向かった。

 地下の仮監で少し待ったあと、開廷時間の午前10時に大阪地裁で一番大きい法廷に入ったが、初公判同様、傍聴席はほぼ一杯だった。

 証言台の前で刑務官に手錠を外されると、中川博之裁判長の開廷宣言により裁判が始まった。

 「では、目の前の椅子に座ってください」

 裁判長に促され、証言台の椅子に腰掛けた。

 証言台では、椅子を証言台の内側に深く入れ、証言台上のマイクが口の前にくるようにした。

 すでにお話ししたとおり、法廷での供述をきちんとした音量で正確にマイクに拾わせることができるし、返答のたびに前傾姿勢をとらずに済むからだった。

 正面には、僕から見て書記官の右横に女性の速記官が座っていた。

 目が合うと、準備万端とばかりに速記タイプライターの上に両手を乗せ、僕の口もとに目線を下げた。

 「弁護人、どうぞ」

 裁判長がそう言うと、弁護人席で法廷の一番奥側に座っていた主任弁護人が立ち上がり、「では、私からお尋ねします」と切り出した。

【反省の情は冒頭に】

 実際の被告人質問は一問一答の形式で行われたが、整理すると、おおむね次のような内容だった。

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

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