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ノート(110) 厚労省事件の公判経過と「被疑者」としての最後の供述調書

前田恒彦元特捜部主任検事
(ペイレスイメージズ/アフロ)

~整理編(20)

勾留85日目(続)

厚労省事件の公判経過

 この日は、弁護人との接見後、午後2時ころから夕食を挟んで3時間近く取調べが行われた。

 最高検の中村孝検事によると、大坪さんと佐賀さんに関する第1回の公判前整理期日が2日後である12月17日に入っており、彼らの裁判も担当するので、早めに来阪したという。ただ、大阪地裁の担当裁判部は僕とは異なるという話だった。

 僕の約10日遅れではあるものの、起訴もそれだけ遅れていたわけで、否認事件か否かに関わりなく、起訴から約2か月ほどで第1回の公判前整理期日を開催するというのが裁判所の考える進行スケジュールだと思われた。起訴後の最初の勾留期限も2か月だからだ。

 この日は、厚労省虚偽証明書事件の起訴後の状況、特に公判における経過などを説明した。既に中村検事に繰り返し述べているところであり、中村検事が供述調書のドラフトを作成してきていたため、その確認が中心となった。その内容は、おおむね次のようなものだった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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