ノート(89) 今生の別れと二度目の職員面接

(ペイレスイメージズ/アフロ)

~回顧編(14)

勾留35日目

【面会室へ】

 「広島からご家族が来てくれているから、早く用意して」

 昼食後、ほどなくして面会担当の刑務官が迎えにやってきた。

 この日は父が病身を押して大阪までやって来るという話になっていたが、無事に着いたと分かり、まずはホッとした。

 どんな顔を見せればいいのだろうか、などと様々な思いが駆け巡ったが、腹を決め、自然体で臨むことにした。

 2名の刑務官に挟まれて事務棟に移動し、面会室が並ぶフロアに降りると、刑務官にうながされ、その一室に入った。

 立会の刑務官が座って待っていたが、アクリル板の向こう側にはまだ誰もいなかった。

【病魔】

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前田恒彦

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

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