ノート(87) 全面否認のまま元特捜部長らを起訴 個性豊かで不思議な隣人たち

(ペイレスイメージズ/アフロ)

~回顧編(12)

勾留30日目

【最後まで全面否認】

 昼食時に流された朝のNHKニュースで、大坪さんや佐賀さんに対する刑事処分の見込みが報じられた。

 彼らに対する勾留の満期日だったからだ。

 最高検は2人を全面否認のまま起訴する方針だという。

 上申書の作成や改訂のくだりも報じられていたが、大坪さんらの悪質性が実際よりも強調されており、かなり話を盛ってリークされたものと思われた。

 想定内ではあったが、相も変わらず検察の内部情報が実際の処分前に外部にダダ漏れになっているわけで、あきれるほかなかった。

 他方、最高検は、年内をめどに厚労省事件の捜査や公判に対する検証を終え、その結果を公表するほか、僕が過去に関与した30ほどの事件についても、同僚検事らに話を聞き、検証を進めていくとのことだった。

 主任として捜査をとりまとめた事件だけなのか、それとも応援に入った事件も含むのか、また、過去何年分まで遡るのか、報道からはうかがい知れなかったし、検察改革に向けてどれだけの意味があるのかも疑問だった。

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前田恒彦

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

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