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ノート(52) 全くやる気のない最高検の検証と相手を思いやる心のなさ

前田恒彦元特捜部主任検事
(ペイレスイメージズ/アフロ)

~達観編(2)

勾留20日目(続)

起訴後勾留の始まり

 自殺防止房に戻ると、刑務官から書類の確認を求められた。この日である10月11日付けで起訴されたということや、接禁が切れたといった大阪地裁からの通知だった。最高検も、さすがに起訴後の接禁は求めなかったのだと分かった。

 また、刑務官によると一両日中に起訴状の謄本も届くだろうとのことだったが、逮捕、勾留された被疑事実と同じ内容の事実で起訴されたのだと分かった。というのも、そうした場合、起訴段階で改めて裁判官による勾留質問や令状審査などは行われない決まりとなっているからだ。

 新たな勾留状の発付もなく、捜査段階の勾留状に基づき、そのまま身柄拘束が続けられる。その期間は起訴日から2か月間であり、罪証隠滅のおそれがあるなど身柄拘束を継続する必要があれば、1か月ごとに更新される。

 保釈による釈放や勾留取消し、勾留執行停止といった措置が取られない限り、少なくとも判決言渡しまで勾留が続けられるわけだ。

起訴後の接禁と求令状

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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