ノート(48) 身上や経歴をまとめた供述調書の内容

(ペイレスイメージズ/アフロ)

~解脱編(20)

勾留19日目

【消えた「隠し玉」】

起訴を翌日に控えていたが、あらかじめ保釈金を用立てたり、釈放時の車を準備するといった段取りは不要だった。

家族の平穏な生活を守るために起訴後の保釈は請求しない、というのが弁護方針だったからだ。

三連休の中日であり、面会や接見、入浴や運動などもなく、拘置所は朝から静かだったし、逮捕当初の厳しい残暑が嘘のように、秋晴れで過ごしやすい季節となっていた。

スピーカーから流れてくるラジオの音楽番組を聴き、拘置所で借りた長部日出雄『源義経』を読み進めていると、午後5時半ころ、中村孝検事の取調べが入った。

取調べは午後10時すぎころまで4時間半ほど行われ、4通の供述調書にサインをした。

1通目は、前日の取調べで中村検事から示された「佐賀メモ」に関するものだった。

僕がその記載を読み解き、意味するところを解説し、併せて新たに思い出したやり取りなどを語ったものだった。

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前田恒彦

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

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