※本記事は2022年1月上旬時点の情報に基づく記事です。オミクロン株の症状、重症化リスクなどに関する情報は最新版である以下の記事をご参照ください

「のどの痛みが多い」「嗅覚・味覚の異常は少ない」 新型コロナ オミクロン株の症状の特徴は?

オミクロン株の感染から発症までの期間は?

新型コロナでは感染してから発症するまでの期間(潜伏期)は約5日とされていました。

これはインフルエンザの約2日と比較して長い潜伏期と言えます。

しかし、オミクロン株ではこの潜伏期が従来の新型コロナウイルスよりも短くなっている可能性があります。

アメリカのネブラスカ州、そしてノルウェーからの報告では、オミクロン株による感染者に接触し後に発症した人の潜伏期は約3日でした。また韓国からも平均潜伏期間は3.6日であったと報告されています。

従来の新型コロナウイルスよりも潜伏期が約2日短くなっている、ということになります。

オミクロン株による症状の特徴は?

新型コロナでよくみられる症状(CDC「新型コロナの臨床症状」より)
新型コロナでよくみられる症状(CDC「新型コロナの臨床症状」より)

新型コロナウイルス感染症では、

・咳、息切れ、息苦しさ

・発熱、寒気

・筋肉痛、関節痛

・嘔吐、下痢

・嗅覚異常、味覚異常

などの症状がみられます。

これらの症状は風邪やインフルエンザととてもよく似ていますが、息切れや嗅覚障害・味覚障害がみられることは稀ですので、嗅覚障害・味覚障害は新型コロナに特徴的な症状であり、もしあれば新型コロナの可能性を疑うきっかけになります。

それでは、オミクロン株による感染者の症状は、従来の新型コロナウイルスに感染した場合と異なるのでしょうか?

ノルウェーでは、11月下旬のパーティーに参加した117人のうち81人がオミクロン株に感染しました。

この81人の臨床症状について、それぞれの症状の頻度は、以下の通りでした。

ノルウェーでの集団感染でオミクロン株に感染した81人の症状と頻度、持続期間(Euro Surveill. 2021;26(50):pii=2101147.より)
ノルウェーでの集団感染でオミクロン株に感染した81人の症状と頻度、持続期間(Euro Surveill. 2021;26(50):pii=2101147.より)

咳は従来の新型コロナでも頻度が高い症状でしたが、流行初期の新型コロナの症状の頻度と比較して、この報告では鼻水・鼻詰まり、くしゃみ、のどの痛みといった、いわゆる「かぜ症状」が多くなっています。

また、日本よりも先にオミクロン株が広がったイギリスで、携帯アプリを用いた新型コロナの症状に関する調査が行われています。

オミクロンが主流になっていたロンドンでの感染者の主要な症状は、

・鼻水

・頭痛

・倦怠感

・くしゃみ

・のどの痛み

であったとのことであり、やはり「かぜ症状」の頻度が高いようです。

こうした傾向は、沖縄県でのオミクロン株による感染者50人の症状の調査でも同様のようです。

ただし、これらの報告におけるオミクロン株の感染者の多くはワクチン接種済であることから、ワクチン未接種の人の臨床症状は異なる可能性があります。

オミクロン株での無症候性感染者の頻度は?

従来の新型コロナにおける無症候性感染者の割合(https://doi.org/10.1073/pnas.2109229118より筆者作成)
従来の新型コロナにおける無症候性感染者の割合(https://doi.org/10.1073/pnas.2109229118より筆者作成)

新型コロナウイルスに感染しても症状が出ない人が一定の割合でいることが分かっており無症候性感染者と呼ばれています。

従来の新型コロナウイルスでは、子どもの約半分、成人の3分の1、高齢者の5人に1人が無症候性感染者と報告されています。

オミクロン株による感染者では、どれくらいの人が無症候性感染者になるのかについては、いくつか報告が出ています。

日本国内で12月27日までに診断されたオミクロン株による感染者109例のうち29例(27%)が経過中無症状で経過した

沖縄県でのオミクロン株による感染者50名のうち、4%が無症状だった

デンマークの初期の感染者785例のうち、20%が無症状だった

ノルウェーの集団感染例81人のうち、1人(1.2%)のみが無症状だった

ということで、現時点では報告によって様々です。

また、無症候性感染者の頻度はウイルスそのものの性質だけでなく、感染者の免疫の状態(ワクチン接種済、過去の感染など)によっても変わってくると考えられます。

オミクロン株ではワクチン接種者も感染しうる

オミクロン株に感染した人の特徴として、デルタ株などの従来の新型コロナウイルスと比較して、ワクチン接種者や過去に新型コロナに罹ったことがある人が占める割合が高いことが上げられます。

その一例として、

12月27日までに日本国内で診断されたオミクロン株の感染者109人のうち86人(79%)がワクチン接種済であった

デンマークでは、デルタ株の感染者のうちワクチン接種済の人は48.4%、過去に新型コロナに罹ったことのある人は0.8%であったのに対し、オミクロン株の感染者のうちワクチン接種済の人は76.3%、過去に新型コロナに罹ったことのある人は4.3%であった

ノルウェーの集団感染事例では、96%がワクチン接種済であった

などの事例が報告されています。

これは、過去にワクチン接種や新型コロナウイルスへの感染によって得られた免疫は、オミクロン株への感染を防ぐ効果が低いことを意味します。

2回のワクチン接種を完了している人、過去に新型コロナに罹ったことのある人もオミクロン株に感染しうるということを知っておきましょう。

ただし、ワクチン接種や過去の感染によって得られた免疫が全く役に立たないということではなく、オミクロン株で多くの人が軽症で済んでいるのはワクチン接種や過去の感染によって得られた免疫の効果が理由の一つとして挙げられます。

まだ2回のワクチン接種を完了していない人は、ぜひ今からでもワクチン接種をご検討ください。

オミクロン株による重症化リスクは?

オミクロン株は、従来の新型コロナウイルスよりも重症化しにくいという報告が増えています。

・デルタ株と比較して、オミクロン株の感染者は救急外来受診または入院のリスクは約半分、入院リスクは約3分の1(イギリス

・デルタ株と比較して、オミクロン株の感染者は入院リスクが0.2倍、重症化リスクが0.3倍(南アフリカ

また、ワクチン接種の有無によっても重症度が異なるとされており、オミクロン株による感染者の入院リスクは、ワクチン未接種者に比べ,ワクチン2回接種者で65%、ワクチン3回接種者では81%低くなった、と報告されています。

なおワクチン未接種では、デルタ株と比較して入院リスクは0.76倍と報告されており、ワクチン接種者と比較するとデルタ株との重症度の差が小さくなっています。

オミクロン株感染者も重症化しないわけではない

以上のように、オミクロン株では従来の新型コロナウイルスと比較して、

・潜伏期が短い

・鼻水やのどの痛みなどの「かぜ症状」が多い

・ワクチン接種をしている人も感染しやすい

・重症化リスクは低い

といった特徴があります。

かぜ症状であっても新型コロナの可能性がありますので、軽い症状であっても病院を受診し検査を受けるようにしましょう(症状のある方は市販の抗原検査キットも参考になります)。

また検査が陰性であっても体調が悪いときは無理をして働かないようにしましょう。

重症化リスクが低い、と言っても全く重症化しないわけではなく、亡くなる方も報告されています。ワクチンを接種していない人、持病のある人や高齢者にとってはまだまだ危険な感染症です。

ご自身や周りの人を守るためにも、まだワクチンを接種していない方はぜひ接種をご検討ください。

また、感染者が爆発的に増えてしまえば、重症化リスクは低くなったとしても重症者は増えてしまうことになります。

極めて感染力の強いオミクロン株が市中で広がることで、沖縄では医療従事者の感染者や濃厚接触者が増え病院機能の維持が困難になっています。

手洗い、3つの密を避ける、マスクを着用するなどの基本的な感染対策をこれまで通りしっかりと続けるようにしましょう。

手洗い啓発ポスター(羽海野チカ先生作成)
手洗い啓発ポスター(羽海野チカ先生作成)