商標登録で「京都芸大」ブランドを守ろうとする京都市立芸術大学の好手

出典:特許情報プラットフォーム

重要追記記事ありますのでご参照ください。

「京都造形芸術大学の名称変更に異論続出~紛らわしい大学名で騒動の行方は」という記事を読みました。開学30周年を来年に迎える京都造形芸術大学が「京都芸術大学」への名称変更予定を発表したところ、既に「京都芸大」、「京芸」等の略称で知られている京都市立芸術大学が抗議したという話です。

実際によく似た名前の大学はありますし、特に地名を含む場合は類似せざるを得ないこともあると思いますが、既にある著名な大学名にわざわざ「寄せて」いくのはどうしたものかと個人的にも思います。上記記事は大学ジャーナリストの方によるもので大変ていねいに解説されていますが、1点抜けているとするならば、京都市立芸術大学が今年の7月11日に関連商標登録を行なっていた点です(タイトル画像参照)。

確認できる限り「京都芸大」、「京芸」、「Kyoto City University of Arts」、「京都市立芸術大学」、「京都芸術大学」の5件が出願済です。現在、特許庁における商標審査は滞り気味で1年近くかかる場合もあるため、しばらく結果はわからないですが、東京芸大(国立大学法人東京芸術大学)が「芸大」を商標登録できていることから考えると登録される可能性は高いと思われます(老婆心ですが早期審査請求も検討された方がよい気がします)。

仮にこれらの商標が登録されても、「京都芸術大学」への名称変更、および、その使用を食い止められるとは限りませんが(商標権は自己の名称を普通に用いられる方法で使用する商標には及ばないため(商標法26条1項))、少なくとも、「京都芸大」、「京芸」等の略称を勝手に使われることは防げます(京都造形大学側は、自校の略称として「京芸」「京都芸大」は使用しないことを宣言していますが、単なる口約束ではなく法律に基づいて禁止できます)。さらに、京都造形大学だけではなく、予備校等の第三者の使用も禁止できるというメリットがあります。

京都造形大学の名称変更に関する公式発表は8月27日だったので、それ以前に内々でなんらかの交渉事があった段階で、京都市立芸術大学が迅速に商標登録出願したものと思われます。きわめて賢明なムーブと言えるでしょう。

日本IBM、ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事、『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 IT系コンサルティングに加えてスタートアップ企業や個人の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています。お仕事のお問い合わせは http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から。【お知らせ】Skype/Chatworkによる特許・商標の無料相談実施中です。詳しくは上記お問い合わせ先から。

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