ロバート秋山発明の梅宮辰夫ものまねTシャツが特許化

出典:特許6366202号公報

「ロバート秋山、"体ものまねTシャツ"特許を取得"かなりの発明"」というニュースがありました。いかにもネタっぽい話ですが、本当でした。

特許番号は特許6366202号、昨年の7月に登録されていました。発明の名称は「小道具」、発明者はご本人、権利者はエース・マーチャンダイズ(秋山さんの親族が経営する会社のようです)、出願日は2016年9月3日です。

発明の技術分野・背景技術・目的は以下のとおりです(一部省略)。

【技術分野】

本発明は、瞬時に顔を別人の顔に変化させて観衆を笑わせ或いは驚かせる小道具に関する。

【背景技術】

観衆に対して芸を行う者等が、自分の顔を瞬時に別人の顔等に変えることで観衆を笑わせ或いは驚かせる芸を披露する場合がある。この場合には、従来、他人の顔等をかたどった絵や写真等から作成したお面(例えば、特許文献1)を用意しておき、これを予め手に持っていたり近くにおいておいたりして、必要なときに取り出すようにしていた。

【発明が解決しようとする課題】

しかしながら、上記お面のような小道具を手にすることなく顔を変化させることができれば、観衆に更に意外性を感じさせて、より一層興趣を高めることができる。

そこで本発明は、自分の顔を瞬時に別人の顔に変えてみせるにおいて、観衆の興趣をより一層高めることができる小道具を提供することを目的とする。

特許請求の範囲の請求項1は以下のとおりです。この内容で権利化されたことになります。

【請求項1】

プルオーバー型の上衣の前身頃の裏地に人物の顔をかたどった像が前記上衣の上下方向に対して倒立状態で設けられ、前記前身頃の表地に、前記像が有する目の位置を示す目印が設けられ、

前記目印は前記像の目の並び方向に延び、且つ前記像の目の並びの位置と合致した位置に設けられており、前記目印の両端はそれぞれ前記像の輪郭と対応する位置にあることを特徴とする小道具。

ここで、このネタは大部昔からやっていたので新規性がないんじゃないのと思われる方もいると思います(たまに誤解している人がいますが、自分の発明を自分で公然実施した場合でも新規性はなくなり特許化はできなくなります(ただし、1年の猶予期間あり))。

実際、審査段階でこの出願は、秋山さんのラジオ番組出演時のウェブ記事によって既に公知となっていることが指摘され、いったんは拒絶になったのですが、不服審判を請求して補正により「且つ前記像の目の並びの位置と合致した位置に設けられて」という要素で限定したことにより、新規性・進歩性が認められ無事登録されています(当然ですが、ちゃんと弁理士先生が代理しています)。

本特許の意味としては他の芸人さんによる摸倣を防ぐというよりも、非公式グッズの販売を防ぐことの方が大きいでしょう。

ところで、この出願の明細書は弁理士先生が代理していますので当然ながらものすごく丁寧に書かれているのですが、たとえば、タイトル画像の説明が、

上記のように、使用者30が上衣10の裾部11sを引き上げて左右の腋36,36が露出し、前身頃11及び後身頃12がそれぞれ裏返ると、前身頃裏地11Bに備えられた正面像21が、使用者30の頭部31の前方の位置(使用者30の顔の前)に、使用者30から見た正立状態で現れる(図4)。このため、使用者30が上記一連の動作を行うと、使用者30の顔が瞬時に別人の顔に変化したように見え、観衆は面白味や驚きを感じて興趣を覚える。

と真面目に書いてあったりするのでギャップにちょっと笑えます。

(追記)

分割出願も登録されていました(特許6249501号)。こちらも補正と不服審判の後に登録になっています。