東宝の「ゴジラ」商標登録が取消に(土木関連)

(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

東宝株式会社が所有する登録商標「ゴジラ」(GODZILLAとの二段書き商標)が、荷役用パレット、土木機械器具、荷役機械器具等の指定商品について、2018年12月に不使用取消となっていました。

登録商標は日本国内で3年以上使用されていないと第三者の請求により取り消すことができます(商標法50号)。今回、東宝側はまったく答弁していませんので、これらの商品については使用実績がなかったということと思われます(商標権者側が使用の証拠を提出しないと問答無用で取消になってしまいます)。

特にキャラクター系の商品については、使用の予定がなくても防衛的な意味で広範囲の商品・役務で出願することがよくありますが、実際に使用していないと第三者により不使用取消されるリスクがある点には注意が必要です。

当該審判の請求人は、株式会社タグチ工業という岡山の土木機器メーカーです。ウェブサイトを見ると普通の会社のようですが、こと商標に関しては「遊び心」がちょっと強いのか「GUZZILLA」、「ガリガリ君」、「STUDIO GABULLI」等を登録しています。

ガジラ」は同社の油圧ショベルアタッチメントのブランド名のようです(最初の商標登録出願日は2011年なのでシン・ゴジラの石原さとみさんにインスパイアされたということではなさそうです)。

この不使用取消審判は「ガジラ」関連商標の登録を確実にするためのものかと思いましたが、上記のGUZZILLA登録商標に対しては、2017年2月に東宝から商標法4条1項15号(商品の出所の混同)等を理由とする無効審判が請求されており、無効審判は棄却となったものの、その後の審決取消訴訟で、商標法4条1項15号にあたることが認定され、結局無効になっていますので、あまり意味がないのではないかと思います(類似先登録を理由として無効になったのではないため)。

なお、東宝の「ゴジラ」は相当に周知性が高いので、商品や役務の違いを超えて出所の混同を招くという知財高裁の判断は妥当だと思います。

一方、東宝による商標権の行使を事前に防ぐという意味はあります(ひょっとすると既に水面下で警告があったのかもしれません)が、商標権がなくなっても「ゴジラ」は著名商標なので不正競争防止法による差止等の可能性は残ります。

ところで、「ガジラ」の別のカナ文字登録商標の方には、洋南重機という会社の「ガジラー」なる登録商標との類似を理由とした異議申立が請求されていましたが、こちらは、非類似と認定され登録が維持されています。

重機分野におけるゴジラ関連商標はややカオス的状況になっていると言えそうです。