「前澤友作」商標登録出願の行方について
ツイッターの商標速報botにより、株式会社ZOZOが文字商標「前澤友作」を出願していることがわかりました。指定商品・役務は、Tシャツ等、マーケティングの支援等です。
商標的に使うのであれば人名を商標登録することは可能です(たとえば、クリスチャン・ディオールやルイ・ヴィトンだって人名です)
。しかし、日本においては、以下の条文が問題になり得ます(商標法4条1項8号)。
ブラックサバスの件でも問題になった条文ですが、今回は芸名ではなく氏名(本名)の話なので著名性は関係ありません。ZOZO社長の前澤友作氏本人が承諾していることは当然として、問題は、日本のどこかにいるかもしれない同姓同名の人々の承諾です。「前沢友作」ならいそうですが「前澤友作」ならどうなんでしょうか?特許庁の審査実務上は全国のハローページで同姓同名をチェックするようです。
とは言え、この条文の特許庁審査における扱いは微妙に一貫しておらず、たとえば、(有名な国文学者を含め)同姓同名がかなりいそうに思われる「村上春樹」が登録されている一方で、つけ麺の祖とも言われる大勝軒の山岸一雄氏の名前が拒絶されていたりします(関連過去記事)。どういう結果になるか気になるところです。
追記:名字由来netによれば、全国に「前澤」さんは約3,400人いるようです(「前沢」さんは約8,900人)。たぶん同姓同名はいなさそうに思えます。