サマンサタバサのスマートなパロディ商品対策について

fbフレンドの弁理士先生経由で知りましたが、株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドが「サマンサタバタ」を3月13日に商標登録出願していたことがわかりました(商願2017-33129)。

サマンサ田端」とは、「クオリティの低さに定評がある北区のローカルブランド」だそうで、要はサマンサタバサのパロディ商品です。数年前からネットで話題になっていました。「フランク三浦」とフランク・ミュラーの関係と同様です。

本家の立場から言うと、パロディ側が商標登録してしまうのだけは避けたいというケースは多いと思います。商標登録されるということはパロディ商品の商標使用について特許庁がいわばお墨付きを与えてしまうことになるからです。実際、フランク・ミュラーもフランク三浦ブランド腕時計の販売については(少なくとも今のところは)黙認ですが、「フランク三浦」の商標登録だけは徹底的に阻止しようとしました(そしてそれは失敗に終わりました)(参考過去記事1参考過去記事2参考過去記事3参考過去記事4)。

サマンサタバサもフランク・ミュラーの轍は踏みたくなかったので、自分でパロディ商標を防衛的に出願してしまうという意表を突いた手に出たのではないかと思います。「サマンサタバタ」を出願しなくとも当然ながら「サマンサタバサ」は既に商標登録されているため、第三者が「サマンサタバタ」または「サマンサ田端」を出願してもそれと類似であることを理由に登録できない可能性は高そうですが、念には念を入れてということだと思います。

なお、自分の登録商標と類似することは拒絶理由ではないので、仮に「サマンサタバサ」と「サマンサタバタ」が類似であると特許庁の審査官が判断しても、本家サマンサタバサが自分の登録商標との類似を理由に「サマンサタバタ」を登録できなくなるということはありません。

また、言うまでもありませんが、この商標が登録されれば、本家サマンサタバサは「サマンサ田端」商標の使用(生産・販売等)に対して権利行使することも可能です。「サマンサタバサ」の商標権や不正競争防止法に基づく権利行使ですと「消費者が混同するとは思われない」と判断されるリスクがありますが、「サマンサタバタ」の商標権で権利行使すればより確実かと思われます(実際に権利行使するつもりなのかパロディとして黙認するつもりなのかは、権利者の考え方次第なので何とも言えません)。