いきなり!ステーキの特許化について

特許5946491号

いきなり!ステーキと言えば良質な肉を量り売りで立ち食いで安くさっと食べられるということで肉好き層に人気を得ています。運営会社のペッパーフードサービスから8月2日付で「いきなり!ステーキ特許取得~ステーキの提供システムが対象に~」というプレスリリースが出ていたので調べてみました。

特許番号は5946491号、発明の名称は「ステーキの提供システム」、最初のクレームは以下のようになっています。

【請求項1】

お客様を立食形式のテーブルに案内するステップと、お客様からステーキの量を伺うステップと、伺ったステーキの量を肉のブロックからカットするステップと、カットした肉を焼くステップと、焼いた肉をお客様のテーブルまで運ぶステップとを含むステーキの提供方法を実施するステーキの提供システムであって、上記お客様を案内したテーブル番号が記載された札と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を計量する計量機と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を他のお客様のものと区別する印しとを備えることを特徴とする、ステーキの提供システム。

太字は補正による追加部分です。出願当時のクレームでは、客をテーブルに案内して、肉の量を聞いて肉をカットして、焼いてテーブルまで運ぶという人為的プロセスのみであり、発明(技術的アイデア)に当たらないという拒絶理由が通知されていたのに応答して、補正で限定したものです。特に新規性・進歩性については何も言われることなく登録されてしまいました(正直自分もこういう審査官に当たりたいです)。一般論ですが、自明に見えるアイデアでも、あまり特許が出願されていない分野のものだと先行文献が見つからなくて特許化されてしまうことはあり得ます。

ところで、クレームでは普通「顧客」とか「来店者」のように”ドライ”な用語で書くのが普通で「お客様」と書くのは珍しいかなと思いましたが、クレームに「お客様」を含む出願も100件以上ありますので、実はそれほど珍しくもなかったです。権利範囲には関係ない話ですが。

外食分野での特許というと、他には自分もたまに行くラーメン屋一蘭の特許「店舗システム」(第4267981号)があります。落ち着いて食べられるよう仕切りを設けたカウンター席が同店の特徴(「味集中システム」と称しているようです)ですが、その店内構造ほぼそのままの複雑なクレームです(長いのでここでは引用しません)。上記のいきなり!ステーキ特許にも言えることですが、外食産業にありがちな丸パクリを牽制する効果はあるのではと思います。

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日本IBM、ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事、『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 IT系コンサルティングに加えてスタートアップ企業や個人の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています。お仕事のお問い合わせは http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から。【お知らせ】Skype/Chatworkによる特許・商標の無料相談実施中です。詳しくは上記お問い合わせ先から。

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